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慶應修士卒が語るキャリアパス:メーカー・コンサル・エンジニアからの知見

慶應修士卒が語るキャリアパス:メーカー・コンサル・エンジニアからの知見 - Speaker Deck

こんにちは!

 

はまをです。

 

今回は大学の授業で講義の一部の一部を担当したお話をします。

 

2023年12月、私の出身である、慶應義塾大学理工学部2年生向けに、管理工学科概論の中の一コマで、

「管理工学科とキャリアステップ」というお題目で、講師を担当させていただきました。

 

ありがたいことに非常に好評で、講義終了後の感想レポートでは、

「価値観が変わった」「非常にためになった」「今までの講義で1番良かった」「共感した」

といった感想をいただきました。

 

ありがたいですねー

 

4月、学年が変わったタイミングということで、同様の方にお役に立てるのではないかと思ったこと、

 

慶應管理って実際どうなの?」といったこと、

 

はたまた新入社員の方々にも、メーカー、コンサル、エンジニアを通じた気づきを共有することで、何かお役に立てるかもと思ったため、

 

作成した資料全部と、その時話した内容のスクリプトを一部改変して共有いたします。

 

○資料

speakerdeck.com

 

**********

 

管理工学科とキャリアステップ メーカー・コンサル・エンジニアからの知見

よろしくお願いします。管理工学科とキャリアステップ、メーカー・コンサル・エンジニアからの知見というお話をします。はまをです。

 

アジェンダ

今日の内容は、私が経験してきたことを伝えてから、改めて大学と企業の違いと、最後に管理工学科で何を学ぶかという流れとなっています。

 

今日のゴールと留意点

本日のゴールは、

 研究や仕事のヒントを提供することと、「何か小さなアクション」を実施いただけるような情報を提供することです。

 

 留意点は、まずすべて個人の意見です。

 いくつか固有名詞が出ますが、いったん本資料内でお願いします。

 あとは科学ではないため、網羅性、正確性、厳密性を保証しているわけではありません。

 正しいかどうかは別として、

 「教えるというより、皆様の目線で等身大でお伝えしたい」と思いがあります。

 今日の内容と、過去の講演者等のお話と

 ①同じことを言っているなと感じた場合、「またこの話ね」と思うかもしれませんが、共通事項ということで重要ととらえられられるかもしれません(統計でいうサンプルが増えることになりますよね)。

 ②違うことを言っているなと感じた場合、いろんな人がいるという多様性ととらえていただければと思います。

 

(余談)

いきなり余談ですが、「自己言及 わかりやすく」でググっていただくと、私のブログが上から10番目位に出てきます。こんな人間かぁと知るのに良いかもしれません。

 

私のキャリアステップ

さてキャリアとは、・・・わだち、車輪の後、つまり経緯という意味です。

 

自己紹介

まずは自己紹介です。そもそも自己紹介を行う理由って何だと思いますでしょうか。

それは背景やどんな経験しているか、その前提を紹介するためです。

何を言うかも大事ですが、誰が言うかは重要なことだと思っており、

世の中それなりにたくさんのことがあふれており、ネットやそれこそChatGPTに聞けばそれっぽいことが返ってくる時代で、

どんな属性の人が言うかで、意味合いが異なります。

たとえ言葉は一般的なこととして同じでも、今回は同じ 慶應 管理工学科出身者として内容を選んでいます。

 さて自己紹介ですが、修士を出て、社会人ではデンソーという会社から、外資系コンサルに転職、今は監査系のグループ会社でエンジニアをやっています。理系、理系、文系の会社です。

 私の性格を一言でいうと、ディズニーのミラベルというキャラクターのように、突出した専門がない凡庸タイプです。

 

人生グラフ

ここでなかなかビジーな絵で、私の人生グラフを示しまして、縦の軸がお気持ちで、いい気持ちなら上がり、イマイチなら下がります。

 横軸は年齢です。

 紺色の部分は出来事に対して、意思決定の際に大事にしてきた価値観です。

 まあいろいろありまして、他者からの評価を気にしたり、自由を求めて慶應に入って、まあうれしかったですね。

 そこそこの失敗を経て、就職、結婚、市場価値を求めて転職、子供ができ、最近は他者にいかに貢献できるか、みたいなことを大事にしています。

 

 ちなみに、過去一下がったのはコンサル時代の2回の谷で、詳細は私のブログを参照いただければと思います笑

 で、ここから学生時代と社会人時代、それぞれ何をやったのかお伝えしていきます。

 

学生時代 学業・英語・アルバイト

まず学生時代は主に、理系、英語、アルバイトを実施してきました。

 受験、学問2から管理、最初は理論系の研究室に入ったのですが、理論系より実験系のほうがいいと思い、研究室を変更しました,。

 当時英語はそこそこで、TOEICは学生時代だと650点、社会人では820点でした。

 サークルが国際交流会で、そこで帰国子女の友人に「映画100個くらい見ればしゃべれるようになるよ」といわれたので、大学3年の夏休みに65本、1日に4・5本とか見るような日々でしたが、これで英語力がついたかどうかは微妙です。ただただ、映画好きになりました。

 バイトはでは人間関係に苦しみ、インターンやりつつ、映画館のバイトをしました。

 

 そんな学生生活で、集大成となる最後、修士の研究について簡単にお伝えします。

 

学生時代 研究

実験系と言ってもIEの研究室で、こちらが修論発表時のスライドの抜粋です。

 

 メーカーには長年働いている熟練技能がいますが、高齢化によってこの知識を次世代や企業内に蓄積する必要があり、またグローバル化外国人労働者に適切に作業を伝える必要があったんですね。

 で今まで技能が伝わった、といえるには、早く作業できるとか、ミスしないといった外的な評価で測っていたのですが、内的評価として、つまり作業者の脳活動の変化で「技能が習得できた」といえるかどうか、を評価する研究となります。

 例えると、小さいころ補助輪なしの自転車に乗れるようになった時、外的評価として、足をつかない時間とか、こいでいられる時間の長さで今までは評価していたんですね。

 それを脳がどう変化するかで「乗れるようになった」って言えるかどうか、みたいな話です。

 ちなみに当時の研究結果の結論は、熟練者は作業を自動化して、あれこれ余計なことを考えないため、あまり脳を働かせないことがわかった、といった感じでした。

 

 で、その中でも、研究時の苦悩として、深さ:過去の研究者に追いつかないといけなかったり、広さ:何本論文読まなきゃいけないのかだったり、そもそも話題のつながりが不明だったりと苦悩しました。

 これの解決策の案として、後で書籍として紹介します。

 

学生時代 就活

こちらは就活のお話で、慶應のB3・M1対象の「内定者報告会」5名に選出された内容の抜粋です。

 ワンピースのシャボンディ諸島編のように、失敗したからしっかり準備して臨んだってことを伝えたい絵です。

 

 学部のころは

 ・それっぽい、自己分析の本を買い、そのまま漢字ドリルが如く、記載された内容を埋めるので、価値観、自分が大事にしている軸がわからない

 ・業界・業種問わず、年収の高い企業を片っ端から応募→働くイメージができていない

 ・準備不足のため、要点もわからず、質問に答えられないこと多数→企業にマッチするかどうか、という目的意識が足りない

 といった感じでした。そこで上手くいかなかったことを反省し、修士のころは、

 ・なぜ好きか、どんな基準で意思決定してきたかという主観や、他己分析で客観的に把握しました

 ・働くイメージをつかむために、業界や企業を調べる

 ・その中でもあなただけですよ、といった理由を探して自分の経験とつなげて話す

 みたいなことをしてました。工場見学に行くと自分の目で見ているのは自分しかいないですからね。

 

 で、最終的に先生にも相談し、デンソーに決めました。

 

(余談)

就職先ランキングの変化を見てみます。慶應理工で、コンサルはおおく、やはり昔よりもコンサル人気であることは言えそうですね。

 

過去のキャリア

まずはメーカーのお話です。

 

メーカー時代 会社概要

デンソーは、自動車業界ではトヨタ系列の部品メーカーで、大体はトヨタ様へ納品するためにいろんな製品を作ります。

 売り上げの半分くらいはトヨタです。

 デンソーの主要な事業のうち、私がいたのはエアコン系で、これは配属希望の時に「グローバル、当時は高い売上で会社の製品」と思ったからです。

 

メーカー時代 職務概要

その中で私の仕事は、システム企画としていくつか経験しまして、

 システム開発や、アメリカに同期では最速クラスの海外出張に行ったり、自分たちの部署の働き方改革の推進、データサイエンス的な分析も行いました。結果的に最後のデータ分析業務の専門家になるべくコンサルに転職するのですが、

 次に新人として初めての仕事の、システム開発の事例をお話しします。

 

メーカー時代 事例

期間は6カ月で、具体的な内容は、リンク先のイメージがわかりやすいです。(中盤くらいのハンバーガーの図)

 いつ製品が製造されたかを、記録して、トレースするようなシステムで、例えば不良品が出た場合、原因究明のために情報をさかのぼれることがメリットの一つになります。

 で、そんな感じのシステムの企画、仕様書の作成、データベース設計でSQL触るとかをしました。

 

 その中で、工場にいる人たちはモノづくりばかりでITはイマイチな人が多いんですね。

 その人たちにわかってもらうために、情報を早くさかのぼるためにはわかりやすい喩えなんかを使って、説明したりしました。

 ここからの学びは、相手が普段利用している言葉で話してみることの大切さに気付きました。

 

メーカー時代 学びと同期からのコメント

でこの経験の中で、書籍・論文を仕事に取り入れればよいじゃんと思うのですが、

 実際には具体と抽象の話で、一次情報が重要ということなんですね。

 具体と抽象、どちらも知っていればそうです。

 ただしおおかた具体の「実務」を経験している人は少なく、当時の私も新人なので、経験は少ないですね。

 そうすると「慶應の頭のいい新人がなんか頭でっかちなこといってるよ」的にな空気になったり、あるいは一般論として効果が出にくいことがあります。

 なので未経験でもできることは、経験した時と同じような思考を想像できるくらい、限りなく体験に近い情報を収集する

 でそのためには実際に工場を歩いて、見たりする「一次情報」に気を使うことが良いと思っています。

 

 ここまでは私の主観ですが、客観として私同期に今回お話を聞きまして、ファーストキャリアとしてメーカーってどうなん?と聞いたところ、

 モノづくりならではのメリットや向いてる人がいることがわかりました。

 結論としては、ファーストキャリアとしての大手メーカーはお勧めですよと言ってました。

 なお今回聞いた、同期6人のうち、私含め2人は転職、残る4人は現職です。

 

(余談)

ここで余談ですが、こちらの文章ちょっと読みますね。

 正しさとは 愚かさとは

 それが何か見せつけてやる

 

 ちっちゃな頃から優等生

 気づいたら大人になっていた

 ナイフの様な思考回路

 持ち合わせる訳もなく

 ・・・

 はい、Ado「うっせわ」ですね

 まさにデンソー時代では共感するところありありでした

 

コンサル時代 会社概要

で先ほど申したように、データ分析のプロになりたく、後でお話しするもろもろの理由から、外資系コンサルに転職しました。

総合コンサルファームでして、私は、このうちのデータ分析部門に所属しました。

 

コンサル時代 同期からのコメント

ここで、また私の同期で、今度は管理の修士まで行った2人のコンサルに、どんな人がコンサル向いてると思う?と聞いたところ、まあ、もちろん人にはよるとして、こんな感じの人って言ってました。

 例えるなら、文化祭の企画と、実行を楽しめる人です。

 要は、具体と抽象の行き来ができて、目の前の言葉通りより、そもそも?とかなぜ?から考えられる人ですね。

 そのためには、調べものや行動力も大事といった具合です。

 

コンサル時代 職務概要

コンサル時代ではいろいろやりまして、期間が3カ月とかで、どんどん次のプロジェクトに呼ばれてはいるため、ここに記載していないプロジェクトも多数あります。ここに書いたのは、コロナ中の働き方はどうなったのか分析したり、

 新卒にダッシュボードを作成するような研修、

 スマートシティのデータをためる基盤の検討とかです。

 で次に紹介するのは、#3の社員のスキルアプリ可視化のプロジェクトです。

 

コンサル時代 事例

期間は1年で、実際には別チームが、開発したアプリと同様のものをクライアントさんに提供しています。

 会社のスキルを定義して、それぞれのユーザーにスキルを入れてもらうと、チャートとか偏差値的に自分の位置がわかったりします。

 で、このアプリ開発のサブリーダー、推進役でした。

 困難は3つで、①はそもそも開発エンジニアではなくコンサルなので「バリュー何?」を出さないといけなかったり、

 ②で開発者が上海のチームなのでそことのやり取りとか、

 ③は実際にアプリの初期リリースした際には、「こんなの使えない」といった厳しい意見に耐えるとかでした。

 で、①については、UIを工夫して、スキル可視化をした後に、具体的に受講すべきe-Learnigを推薦するようにしたり

 ②については、意思疎通の齟齬がないように、いちいち文書や絵にしたり

 ③アンケートは、フィードバックは期待値の表れととらえて、前向きに改善したりしました。

  今もこのアプリは数千人の社員全員に使われているようです。

 

研究にも役立つおすすめビジネス書

ここで、コンサル時代に読んだ本で、研究にも役立つなと思った本を4つ紹介したいと思います。、

 本というのは、もやもやに対する解決策のヒントになるので、仕事や研究に迷った時の心の支えや武器になると思っています。

 ちなみに慶應のKOSMOSで、本があるかも調べて、1つ目以外はあったので参考になるかなと思います。

 

⓪ビジネスルールの基礎

まずはお仕事の基本編です。例えば、研究ってどう進めたらいいの?と思った際に、そもそも進めるというのは、目的に向かっているってことになります。で、その研究の目的は仮説・仮のこたえの検証です。

 守は学習と模倣、破は探求と革新、離で独立と創造で、この本は「守」にあたると思っています。

 基本的な方法、既存の知識ということで、仕事の進め方の基本がこの本で学べます。

 ちなみに参考として、今後研究でもパワポを作成することになるかと思いますが、その守・基本として、経産省の委託調査報告書は有用です。

 こんな感じで各コンサル会社が作ったパワポを見れますので、参考になるかもです。

 

①システム思考(システムシンキング)

次に、①システム思考です。

 例えば研究でこのパラメータ変えたらどうなる?とか、実験が進んだらどうなる?という疑問に対して、

 出来事と、その関係を可視化する、このループ図で、構造の流れを把握します。

 まず実験の遂行状況からはじまって、データを収集する、すると結果が確認できて、先生などの助言があって、理論の確認や仮説の修正、その結果追実験が必要かどうか判断、といったように、

 「マジカルバナナ」みたいに、〇〇といったら・・・と連想します。

 これを行うことで、次のアクションを伝えることができるので有用と思います。

 

②解像度

②に解像度です。解像度というのは、写真の画像のピクセルで、解像度が低いとピントが合っていなくてぼやけてる、解像度が高いと今のスマホの画像のように鮮明に見えます。

 私が研究時の苦悩で、深さ、広さ、関係性で悩んだとお伝えしましたが、本書ではその解決方法の案が含まれていたと思います。

 

 で、解像度を上げるヒントとして

 例えば、先生などからアドバイスもらった際、おっしゃる意味をどうとらえたらいいか迷うことがあります。

 その際は、視座を上げて考えましょうというお話です。

 視座・視野・視点はこの絵の通りで、まあ文字通りですが視座はどこに座っているか・どこまで見据えているか、視野は範囲、視点は特定の部分ですね。

 視座を上げるというのは、この立っている高さを上げる意味で、左側のアドバイスをもらう視座から、右側のように高い視座に立ってみると、アドバイスをどうとらえるかのヒントになるかと思います。

 

③数値分析

③に、数値分析のお話です。本書は特にお勧めで、著者の安宅さんは、慶應SFC出身で神経科学の研究の後、マッキンゼーいって今はヤフーにいる、データサイエンティスト協会を立ち上げた人です。

 で、この本で、意思決定のための数値分析はこれしかない、というのをうたっており、比較、構成、変化です。

 これから研究で数値を扱うかと思いますが、考察の際にはこの比較、構成、変化に着目すると次の着想が得られるんじゃないかなと思います。

 

(余談)

ちょっと自己啓発チックになってきたので、最近というか少し前に私の中で絶賛ブームだった、Youtuberを紹介します。

 データアナリティクスで、Twitterの口コミ分析とかの自然言語処理をきっかけにですね、言語そのもの言語学にも興味をもって知ったのですが、

 ゆる言語学ラジオといいまして、

 左の慶應理工出身と、右の出版社に勤める言語学オタクのふたりでお話しするもので、

 その中でも特に、赤ちゃんが言語を習得するのがいかにムリゲーかという話がとても面白く、

 あと、このひどすぎる卒論は、ほんとに、皆さん元気になれると思います。

 

現在のキャリア

はい、やっと現在のキャリアのお話です。これは今のオフィスに近い画像です。

 

データアナリティクスエンジニア時代 会社概要

で今は監査関連のグループ会社におります。

 そもそも親会社は監査法人なんですが、これは公認会計士の集まりで、公認会計士協会が発表している指針によってやるべき業務が決まっているんですね。

 ざっくり会計士というのは、企業が発表する決算報告が正しいかどうかを、お墨付きを与える仕事をする人で、スポーツの審判みたいな人です。審判が八百長をしてはいけないように、監査法人も会社に対してアドバイスなんかはできたいことになっているんですね。なので、監査法人ではできない、コンサルやシステム開発を別会社として建てたのが今の会社という位置づけです。

 で、私はその会計士の業務を変革したり、作業を自動化することを考える部署におります。

 

データアナリティクスエンジニア時代 職務概要

ここでもいろいろやっており、データの可視化に特化したダッシュボードを作ったり、会計データの分析する人の知見をためたり、

 あとはデータ基盤を運営するチームにも入っています。で、これから紹介するのは、最後の、生成AIを監査の業務に適応するチームのお話です。

 

データアナリティクスエンジニア時代 事例

生成AI、まあChatGPTとかですが、これを監査の業務に適応するわけですが、会計士さんはとにかく大量の文章を書きます。具体的には有価証券報告書の文章をチェックするのは、監査法人です。有価証券報告書は大量の文字で記載されています。実際には経理がこれを作成しますが、正しいかどうかをチェックするのが監査です。

 

 こういった業務には生成AI使えそうという見立てがある一方、生成AIは平気でうそをつきますからなかなか適用には苦労しています。

 さらに、この生成AIの分野はご存じ、開発スピードが速すぎて追いつくのが大変で、その都度方針を変えないといけないです。

 前任者が独立して私がこの業務のリーダーになってしまったので、まあやるべきタスクの整理やら方針やらを決めることに日々頑張っています。

 ここで言いたいのは、こういった複雑な事象や世界的に変化の速い分野でも、一つ一つ整理して明確にすることで、業務を進めることができるということです。

 

転職活動

これまでメーカー、コンサル、エンジニアと経験してきて都度転職してきたわけですが、転職活動の際に考えたことを一部まとめています。

 まず最初の転職では、成長面で大企業でホワイトなのはよかったのですがちょっとゆるめな部署で、最近ではゆるブラックなんか呼ばれていますよね。

 経歴面ではなんか箔がつけたかったのと、最後が一番大きいですが、給与面で年功序列というシステムではなかなか難しく、

 またメーカーという業界の特性上上げづらいという点もありました。

 ただ転職活動中は大企業メーカーということで、信頼性が高いと評価される点ではよかったなと思います。

 

 次の転職は、理由として価値観の変化が大きく、結婚や子育てで自分のためというより他者のために働きたいと思うようになったのですが、

 コンサルでは特にアドバイスという点で貢献感が薄かったのが挙げられます。

 後はお察しの通り、マネージャー層からの厳しさに耐えられなかったというのもあります。

 でポストコンサルは、なかなか厳しくて、コンサルタントに対する期待が高いので、即戦力じゃないとすぐ落とされるというのがありました。

 コンサルを考える人は少し注意かなと思います。

 

(まとめ)人生グラフ

というわけで長々とメーカー、コンサル、エンジニアのお仕事を見てきました。

 まあキャリアは良しあしはなく、自分に納得できるかで、どこに行ってもどうにかなるというのが今言えることかなと思います。

  ちなみに年収は、コンサル時代が最大で、一時新卒の倍くらいにはなりました。

 お金も大事ですが、プレッシャーと比例するので、まあほどほどにとは思います。

 

大学と企業の違いを考える

ってことでここから、今までの経験から、大学と企業に違いを考えてみたので共有します。

 左が大学、右が企業の図ですね

 

大学と企業の違い

キャリアや研究の参考にしてほしい想いで3つ挙げました。

 前提となる目的、複雑性と優先順位、抽象度と具体度です。

 これ自体が抽象度高くて若干矛盾をはらんでいますが、まあこんなもんかと聞いていただければと思います。

 

前提となる目的

まず目的についてですが、大学は文科省によると、教育研究活動を行うとあります。

 一方、企業は、会社法に「商行為」とありまして、この商行為というのは商法に「利益を得る行為」とあります。

 まあ当たり前ですが、やっぱり企業は営利のために、存在するのですね。

 

複雑性と優先順位

次に複雑性で、大学は体系的で、企業は複雑系です。

 例えば、皆さんが知識をインプットする際、大学の履修科目一覧なんかは典型ですね。体系的な授業でインプットできます。

 アウトプットも論文という形だと思いますが、これも論理的に体系的に描く必要がある点で、かなり体系的だと思います。

 一方企業の場合は、まず情報収集するにしても様々な手段があります。また企業のアウトプットが利益を求める意思決定とすると、この決断の連続が複雑です。

 その理由として、自分一人ではなく、複数の他者がいて、それぞれ目標や責任があります。

 でその関係者の範囲もまた多様で、バランスをとりながら企業は「これを実施する!」という決断が必要なんですね。

 限られた資源を使って利益を出さなきゃいけないので、正確性を犠牲にしてもスピード、厳密性より柔らかいわかりやすさが求めれます。

 

抽象度と具体度

最後3つ目に、抽象度と具体度です。

 大学は抽象度の高い例として、モデル化があります。

 管理でもよくつかわれると思いますが、抽象度上げて不要なものをそぎ落として、数式で表現したりしますよね。線形計画問題がまさにそうですね。

 一方、企業では具体性が求められます。その理由は先ほど伝えた、いろんな人の意思決定が複雑だからです。

 例えば、「生成AI」といっても、経営者はChatGPT、開発者はテキスト以外にも画像や音声のマルチモーダル性、利用者はテキストのLLM、リスク管理者は安全かどうか、

 といいったように、同じ生成AIという言葉でも頭にイメージすること、解像度が異なります。生成AIという抽象度から、よりその生成AIは何を指すのか具体的に落とさないと、コミュニケーションに不都合が生じます。

 

大学と企業の違い まとめ

以上から、大学と企業は、目的、複雑性、具体と抽象度という観点で異なるということを見てきました。

 

管理工学科で何を学ぶか

最後に、管理工学科で何を学ぶか、です。この絵は、人・物・金・情報を管理することを表しています。

 

(余談)

またここで余談で、こちらは有名なショーシャンクの空にという映画ですね。

 これが好きって言っておけば、映画通っぽく思われるNo1映画です。

 でですね、「空・雨・傘」という有名なフレームワークがあり、

 空という事実から、雨が降るだろうと仮説を立て、傘という解決策を示すという、問題解決のフレームワークがあります。

 というわけでこれから、問題解決のお話をしていきます。

 

管理工学科と社会とのつながり

ここには、私のキャリアで先ほど紹介した業務を並べて、

 管理工学科のどの授業と関連するかをこちらに線で引っ張ってみました。

 いろんなところで役に立っていることがわかります。

 

あらためて管理工学科とは

そもそも、管理工学科とは、枇々木先生が、このように定義しています。

 問題解決のために、いろんな技術を合わせて、計画といい感じに制御、新しい方法を生み出すとあります。

 右側の図がそのイメージ図です。

 

 私の学生時代の持論は、人ものかね情報の管理を研究するといっていて、要は経営資源をうまく活用することです。

 

 Google検索の結果と解釈では、管理と工学に分けて、

 管理は、目的となる問題解決のために、手段でなんとかすることで、

 工学は、解決策を科学に応用するといった感じでした。

 ふむふむ、といった感じでしょうか。問題を解決することが目的であることは何となくわかりますね。

 

(参考)管理工学科の概要

ちなみに、先ほどの枇々木先生以外にも、管理のいろんなお話が載っていたので研究室を選ぶ際に参考になればと思います。

 

管理工学の入り口 統計

管理工学の入り口の例ということで、これは私の映画のレビューサイトになるのですが、

https://filmarks.com/users/hamayyan

これを自分でスクレイピング・クローリングして、

 右側のように自分がどんなレビューをしたのかを統計的に示して分析してみた図になります。

私は映画を見た後、3が面白い、4が紹介したい、5が価値観に影響といった基準でメモっているのですが、review_scoreで、平均が3.37ということでおおよそいい感じにレビューできていることがわかります。

 review_likeのMore detailで、合計いいねの数は6095だそうです。インフルエンサーには程遠いですね。

 とかとかいろんたことが統計で分かります。

 

管理工学の入り口 IT・システム

次にIT・システムについては、あらゆる場面で必要なので、学生中に例えば経産省等が関与する「Di Lite」を見ておくはどうでしょうかというお話です。

 これは、ITパスポート、データサイエンティスト検定、AIのG検定を合わせた総称で、私もすべて取りました。

 

管理工学の入り口 会計

また会計についてもビジネスの基礎にはなるのですが、これは私自身学生時代とても苦手だったので、この4つのお悩みについてそれぞれ本とYoutubeの紹介です。

 会計全くわかりません、財務諸表なにそれ、例えば?、今の時代まず動画っしょという観点でお勧めしているのでご参考ください。

 

管理工学の入り口 IE

最後私の研究室であるIEですが、IEでは動作の時間分析を勉強するかと思いますが、

 これはその時間分析の例でして、私は趣味で、自分がどのくらい家事・育児に時間を割いているかを計測しておりまして、

 それを今回ダッシュボード化してみた例です。

 

 まずこのToggleという今はWebですがスマホアプリもあって、何をやったかスタートとストップで家事や育児の時間を記録します。

 で今回はそれをPowerBIという、パワポ、エクセル、ワードに並ぶようなマイクロソフトの無料製品で、ダッシュボードとして可視化してみました。

 なお、こういうのを作るのを普段仕事にしています。会計の仕訳データを可視化したりとかです。

 

2023年12月現在、土日も含む、1日平均で5.4時間家事・育児に割いているようですね

 育児では外・公園で遊ぶのが161時間なんだなとか、

 7月の家事は44時間のうち、皿洗いが8時間もやっているんだな、とかとかです。表示しているデータは3185行分です

 

 このダッシュボードの目的は、家事・育児に時間を割いている、という自己満足を得るためです。

 仕事では、だいたい何か問題があり、それを解決するための分析用ダッシュボードを作ることがメインです。

 

問題解決の前提

ここで管理工学科で重要な、問題解決の定義を見てみます。ちょっとややこしいかもですが、ふーんで構いません。

 

 問題は、現状とあるべきとの差分のこと

 論点は、答えと出すべき問い

 イシューはその中でも重要な問い

 仮説は論点に対する仮の回答

 課題は差分の解消のためにすべきこと

 なんですが、これを絵に表したのが次のページでして

 

問題解決のアプローチ

問題解決のアプローチは2種類あるとおもっておりまして、マイナスの現状からプラマイゼロのあるべき姿にするLess Negativeのアプローチと、

 プラマイゼロの現状からプラスのありたい姿にするMore Positiveのアプローチです。

 

 左のLess Negativeではあるべきと現状の差分が問題で、この解決が課題になります。その課題が、各論点や仮説が支えられて、一番大事なイシューを解くことに力を注ぎます。

 一方、右のMore Positiveでは、あるべきではなくありたい姿に向かって、現状から必要な行動を起こします。

 この行動自体が課題でして、論点や仮説が支えており、そのイシューの解決が一番重要ということです。

 

 これらを具体的に実践するのは、IE実験や各研究でそれぞれ考えてみてください。

 コンサルはこういう仕事をしていますし、基礎になっています。

 

管理工学科で何のために学ぶか

で、結局管理で何を学ぶかについては、この問題解決のために、じゃあどうするのかHowの部分、解決策の知識を学ぶこととなると考えています。

 管理ではいろんな手段を学ぶことができるのですが、そもそもどんな問題を解決したいかは、それぞれが研究で考えることになります。

 社会に出ると様々な問題が山積みですが、それを管理工学科で学んだ手段・技術を使って存分に活躍していただければと思います。

 

(余談)

最後の余談で、ちょっと読んでみます。

 君たちったら何でもかんでも分類、区別、ジャンル分けしたがる

 まさにコンサルとかそうですよね、いちいちMECEに分けたがる

 

 はい、ご存じ世界の終わりのHabitという歌詞ですね。

 

 なぜ分類したがると思いますか?

 仕事では限られた時間の中で、早く理解する必要があるからで、

 分類すると、解く問題の範囲を決めることができます、範囲が決まれば全体像が見えてきて、

 問題を効率的に解決できると思っています。

 

学生時代をどう過ごすか

私がもし学生時代に戻ったらどう過ごすかを考えたときに、

 管理ではよく「社会に出て初めて役に立つ」なんて言われるのですが、

 これは仕事で、目的・やるべき・やりたいことが明確になるからだと思っています。

 まあ研究・サークル・何でもいいので、経験してみてくださいという感じでしょうか。

 

 ただ、効率的に進むことだけがすべてではなくて、一見無駄っぽいことでも価値のあることもあります。

 セレンディピティという言葉が私は好きです

 スティージョブズのいう「connecting dots」という感じです。

 

(まとめ)キャリア

以上、とりとめもなく最後駆け足でしたが、

 私個人としては、なるべくエアプしないように、経験したからこそ言える内容をお伝えしてきました。

 

 30代の偉くも何ともない人に言われても、天邪鬼的に、言われたら逆にやりたくなくなる気持ちもわかるんですね(私もそうでした)

 いろいろと自分の頭で考え、良さげなものだけ取り入れ、少しでも皆様のヒントになればいいなと思います。

 

**********

 

いかがでしたでしょうか。話した内容ほぼほぼ全て書き出しているので、これを話せば1時間くらいになります。

 

一つでも何かあなた様の行動につながりますと、筆者冥利に尽きます。

 

はまを