ミーハーはまを言霊ノート

データ分析を頑張る30代パパ/セルフリファレンスの権化が人生の指針/淡い淡い夢はメディア露出

慶應修士卒が語るキャリアパス:メーカー・コンサル・エンジニアからの知見

慶應修士卒が語るキャリアパス:メーカー・コンサル・エンジニアからの知見 - Speaker Deck

こんにちは!

 

はまをです。

 

今回は大学の授業で講義の一部の一部を担当したお話をします。

 

2023年12月、私の出身である、慶應義塾大学理工学部2年生向けに、管理工学科概論の中の一コマで、

「管理工学科とキャリアステップ」というお題目で、講師を担当させていただきました。

 

ありがたいことに非常に好評で、講義終了後の感想レポートでは、

「価値観が変わった」「非常にためになった」「今までの講義で1番良かった」「共感した」

といった感想をいただきました。

 

ありがたいですねー

 

4月、学年が変わったタイミングということで、同様の方にお役に立てるのではないかと思ったこと、

 

慶應管理って実際どうなの?」といったこと、

 

はたまた新入社員の方々にも、メーカー、コンサル、エンジニアを通じた気づきを共有することで、何かお役に立てるかもと思ったため、

 

作成した資料全部と、その時話した内容のスクリプトを一部改変して共有いたします。

 

○資料

speakerdeck.com

 

**********

 

管理工学科とキャリアステップ メーカー・コンサル・エンジニアからの知見

よろしくお願いします。管理工学科とキャリアステップ、メーカー・コンサル・エンジニアからの知見というお話をします。はまをです。

 

アジェンダ

今日の内容は、私が経験してきたことを伝えてから、改めて大学と企業の違いと、最後に管理工学科で何を学ぶかという流れとなっています。

 

今日のゴールと留意点

本日のゴールは、

 研究や仕事のヒントを提供することと、「何か小さなアクション」を実施いただけるような情報を提供することです。

 

 留意点は、まずすべて個人の意見です。

 いくつか固有名詞が出ますが、いったん本資料内でお願いします。

 あとは科学ではないため、網羅性、正確性、厳密性を保証しているわけではありません。

 正しいかどうかは別として、

 「教えるというより、皆様の目線で等身大でお伝えしたい」と思いがあります。

 今日の内容と、過去の講演者等のお話と

 ①同じことを言っているなと感じた場合、「またこの話ね」と思うかもしれませんが、共通事項ということで重要ととらえられられるかもしれません(統計でいうサンプルが増えることになりますよね)。

 ②違うことを言っているなと感じた場合、いろんな人がいるという多様性ととらえていただければと思います。

 

(余談)

いきなり余談ですが、「自己言及 わかりやすく」でググっていただくと、私のブログが上から10番目位に出てきます。こんな人間かぁと知るのに良いかもしれません。

 

私のキャリアステップ

さてキャリアとは、・・・わだち、車輪の後、つまり経緯という意味です。

 

自己紹介

まずは自己紹介です。そもそも自己紹介を行う理由って何だと思いますでしょうか。

それは背景やどんな経験しているか、その前提を紹介するためです。

何を言うかも大事ですが、誰が言うかは重要なことだと思っており、

世の中それなりにたくさんのことがあふれており、ネットやそれこそChatGPTに聞けばそれっぽいことが返ってくる時代で、

どんな属性の人が言うかで、意味合いが異なります。

たとえ言葉は一般的なこととして同じでも、今回は同じ 慶應 管理工学科出身者として内容を選んでいます。

 さて自己紹介ですが、修士を出て、社会人ではデンソーという会社から、外資系コンサルに転職、今は監査系のグループ会社でエンジニアをやっています。理系、理系、文系の会社です。

 私の性格を一言でいうと、ディズニーのミラベルというキャラクターのように、突出した専門がない凡庸タイプです。

 

人生グラフ

ここでなかなかビジーな絵で、私の人生グラフを示しまして、縦の軸がお気持ちで、いい気持ちなら上がり、イマイチなら下がります。

 横軸は年齢です。

 紺色の部分は出来事に対して、意思決定の際に大事にしてきた価値観です。

 まあいろいろありまして、他者からの評価を気にしたり、自由を求めて慶應に入って、まあうれしかったですね。

 そこそこの失敗を経て、就職、結婚、市場価値を求めて転職、子供ができ、最近は他者にいかに貢献できるか、みたいなことを大事にしています。

 

 ちなみに、過去一下がったのはコンサル時代の2回の谷で、詳細は私のブログを参照いただければと思います笑

 で、ここから学生時代と社会人時代、それぞれ何をやったのかお伝えしていきます。

 

学生時代 学業・英語・アルバイト

まず学生時代は主に、理系、英語、アルバイトを実施してきました。

 受験、学問2から管理、最初は理論系の研究室に入ったのですが、理論系より実験系のほうがいいと思い、研究室を変更しました,。

 当時英語はそこそこで、TOEICは学生時代だと650点、社会人では820点でした。

 サークルが国際交流会で、そこで帰国子女の友人に「映画100個くらい見ればしゃべれるようになるよ」といわれたので、大学3年の夏休みに65本、1日に4・5本とか見るような日々でしたが、これで英語力がついたかどうかは微妙です。ただただ、映画好きになりました。

 バイトはでは人間関係に苦しみ、インターンやりつつ、映画館のバイトをしました。

 

 そんな学生生活で、集大成となる最後、修士の研究について簡単にお伝えします。

 

学生時代 研究

実験系と言ってもIEの研究室で、こちらが修論発表時のスライドの抜粋です。

 

 メーカーには長年働いている熟練技能がいますが、高齢化によってこの知識を次世代や企業内に蓄積する必要があり、またグローバル化外国人労働者に適切に作業を伝える必要があったんですね。

 で今まで技能が伝わった、といえるには、早く作業できるとか、ミスしないといった外的な評価で測っていたのですが、内的評価として、つまり作業者の脳活動の変化で「技能が習得できた」といえるかどうか、を評価する研究となります。

 例えると、小さいころ補助輪なしの自転車に乗れるようになった時、外的評価として、足をつかない時間とか、こいでいられる時間の長さで今までは評価していたんですね。

 それを脳がどう変化するかで「乗れるようになった」って言えるかどうか、みたいな話です。

 ちなみに当時の研究結果の結論は、熟練者は作業を自動化して、あれこれ余計なことを考えないため、あまり脳を働かせないことがわかった、といった感じでした。

 

 で、その中でも、研究時の苦悩として、深さ:過去の研究者に追いつかないといけなかったり、広さ:何本論文読まなきゃいけないのかだったり、そもそも話題のつながりが不明だったりと苦悩しました。

 これの解決策の案として、後で書籍として紹介します。

 

学生時代 就活

こちらは就活のお話で、慶應のB3・M1対象の「内定者報告会」5名に選出された内容の抜粋です。

 ワンピースのシャボンディ諸島編のように、失敗したからしっかり準備して臨んだってことを伝えたい絵です。

 

 学部のころは

 ・それっぽい、自己分析の本を買い、そのまま漢字ドリルが如く、記載された内容を埋めるので、価値観、自分が大事にしている軸がわからない

 ・業界・業種問わず、年収の高い企業を片っ端から応募→働くイメージができていない

 ・準備不足のため、要点もわからず、質問に答えられないこと多数→企業にマッチするかどうか、という目的意識が足りない

 といった感じでした。そこで上手くいかなかったことを反省し、修士のころは、

 ・なぜ好きか、どんな基準で意思決定してきたかという主観や、他己分析で客観的に把握しました

 ・働くイメージをつかむために、業界や企業を調べる

 ・その中でもあなただけですよ、といった理由を探して自分の経験とつなげて話す

 みたいなことをしてました。工場見学に行くと自分の目で見ているのは自分しかいないですからね。

 

 で、最終的に先生にも相談し、デンソーに決めました。

 

(余談)

就職先ランキングの変化を見てみます。慶應理工で、コンサルはおおく、やはり昔よりもコンサル人気であることは言えそうですね。

 

過去のキャリア

まずはメーカーのお話です。

 

メーカー時代 会社概要

デンソーは、自動車業界ではトヨタ系列の部品メーカーで、大体はトヨタ様へ納品するためにいろんな製品を作ります。

 売り上げの半分くらいはトヨタです。

 デンソーの主要な事業のうち、私がいたのはエアコン系で、これは配属希望の時に「グローバル、当時は高い売上で会社の製品」と思ったからです。

 

メーカー時代 職務概要

その中で私の仕事は、システム企画としていくつか経験しまして、

 システム開発や、アメリカに同期では最速クラスの海外出張に行ったり、自分たちの部署の働き方改革の推進、データサイエンス的な分析も行いました。結果的に最後のデータ分析業務の専門家になるべくコンサルに転職するのですが、

 次に新人として初めての仕事の、システム開発の事例をお話しします。

 

メーカー時代 事例

期間は6カ月で、具体的な内容は、リンク先のイメージがわかりやすいです。(中盤くらいのハンバーガーの図)

 いつ製品が製造されたかを、記録して、トレースするようなシステムで、例えば不良品が出た場合、原因究明のために情報をさかのぼれることがメリットの一つになります。

 で、そんな感じのシステムの企画、仕様書の作成、データベース設計でSQL触るとかをしました。

 

 その中で、工場にいる人たちはモノづくりばかりでITはイマイチな人が多いんですね。

 その人たちにわかってもらうために、情報を早くさかのぼるためにはわかりやすい喩えなんかを使って、説明したりしました。

 ここからの学びは、相手が普段利用している言葉で話してみることの大切さに気付きました。

 

メーカー時代 学びと同期からのコメント

でこの経験の中で、書籍・論文を仕事に取り入れればよいじゃんと思うのですが、

 実際には具体と抽象の話で、一次情報が重要ということなんですね。

 具体と抽象、どちらも知っていればそうです。

 ただしおおかた具体の「実務」を経験している人は少なく、当時の私も新人なので、経験は少ないですね。

 そうすると「慶應の頭のいい新人がなんか頭でっかちなこといってるよ」的にな空気になったり、あるいは一般論として効果が出にくいことがあります。

 なので未経験でもできることは、経験した時と同じような思考を想像できるくらい、限りなく体験に近い情報を収集する

 でそのためには実際に工場を歩いて、見たりする「一次情報」に気を使うことが良いと思っています。

 

 ここまでは私の主観ですが、客観として私同期に今回お話を聞きまして、ファーストキャリアとしてメーカーってどうなん?と聞いたところ、

 モノづくりならではのメリットや向いてる人がいることがわかりました。

 結論としては、ファーストキャリアとしての大手メーカーはお勧めですよと言ってました。

 なお今回聞いた、同期6人のうち、私含め2人は転職、残る4人は現職です。

 

(余談)

ここで余談ですが、こちらの文章ちょっと読みますね。

 正しさとは 愚かさとは

 それが何か見せつけてやる

 

 ちっちゃな頃から優等生

 気づいたら大人になっていた

 ナイフの様な思考回路

 持ち合わせる訳もなく

 ・・・

 はい、Ado「うっせわ」ですね

 まさにデンソー時代では共感するところありありでした

 

コンサル時代 会社概要

で先ほど申したように、データ分析のプロになりたく、後でお話しするもろもろの理由から、外資系コンサルに転職しました。

総合コンサルファームでして、私は、このうちのデータ分析部門に所属しました。

 

コンサル時代 同期からのコメント

ここで、また私の同期で、今度は管理の修士まで行った2人のコンサルに、どんな人がコンサル向いてると思う?と聞いたところ、まあ、もちろん人にはよるとして、こんな感じの人って言ってました。

 例えるなら、文化祭の企画と、実行を楽しめる人です。

 要は、具体と抽象の行き来ができて、目の前の言葉通りより、そもそも?とかなぜ?から考えられる人ですね。

 そのためには、調べものや行動力も大事といった具合です。

 

コンサル時代 職務概要

コンサル時代ではいろいろやりまして、期間が3カ月とかで、どんどん次のプロジェクトに呼ばれてはいるため、ここに記載していないプロジェクトも多数あります。ここに書いたのは、コロナ中の働き方はどうなったのか分析したり、

 新卒にダッシュボードを作成するような研修、

 スマートシティのデータをためる基盤の検討とかです。

 で次に紹介するのは、#3の社員のスキルアプリ可視化のプロジェクトです。

 

コンサル時代 事例

期間は1年で、実際には別チームが、開発したアプリと同様のものをクライアントさんに提供しています。

 会社のスキルを定義して、それぞれのユーザーにスキルを入れてもらうと、チャートとか偏差値的に自分の位置がわかったりします。

 で、このアプリ開発のサブリーダー、推進役でした。

 困難は3つで、①はそもそも開発エンジニアではなくコンサルなので「バリュー何?」を出さないといけなかったり、

 ②で開発者が上海のチームなのでそことのやり取りとか、

 ③は実際にアプリの初期リリースした際には、「こんなの使えない」といった厳しい意見に耐えるとかでした。

 で、①については、UIを工夫して、スキル可視化をした後に、具体的に受講すべきe-Learnigを推薦するようにしたり

 ②については、意思疎通の齟齬がないように、いちいち文書や絵にしたり

 ③アンケートは、フィードバックは期待値の表れととらえて、前向きに改善したりしました。

  今もこのアプリは数千人の社員全員に使われているようです。

 

研究にも役立つおすすめビジネス書

ここで、コンサル時代に読んだ本で、研究にも役立つなと思った本を4つ紹介したいと思います。、

 本というのは、もやもやに対する解決策のヒントになるので、仕事や研究に迷った時の心の支えや武器になると思っています。

 ちなみに慶應のKOSMOSで、本があるかも調べて、1つ目以外はあったので参考になるかなと思います。

 

⓪ビジネスルールの基礎

まずはお仕事の基本編です。例えば、研究ってどう進めたらいいの?と思った際に、そもそも進めるというのは、目的に向かっているってことになります。で、その研究の目的は仮説・仮のこたえの検証です。

 守は学習と模倣、破は探求と革新、離で独立と創造で、この本は「守」にあたると思っています。

 基本的な方法、既存の知識ということで、仕事の進め方の基本がこの本で学べます。

 ちなみに参考として、今後研究でもパワポを作成することになるかと思いますが、その守・基本として、経産省の委託調査報告書は有用です。

 こんな感じで各コンサル会社が作ったパワポを見れますので、参考になるかもです。

 

①システム思考(システムシンキング)

次に、①システム思考です。

 例えば研究でこのパラメータ変えたらどうなる?とか、実験が進んだらどうなる?という疑問に対して、

 出来事と、その関係を可視化する、このループ図で、構造の流れを把握します。

 まず実験の遂行状況からはじまって、データを収集する、すると結果が確認できて、先生などの助言があって、理論の確認や仮説の修正、その結果追実験が必要かどうか判断、といったように、

 「マジカルバナナ」みたいに、〇〇といったら・・・と連想します。

 これを行うことで、次のアクションを伝えることができるので有用と思います。

 

②解像度

②に解像度です。解像度というのは、写真の画像のピクセルで、解像度が低いとピントが合っていなくてぼやけてる、解像度が高いと今のスマホの画像のように鮮明に見えます。

 私が研究時の苦悩で、深さ、広さ、関係性で悩んだとお伝えしましたが、本書ではその解決方法の案が含まれていたと思います。

 

 で、解像度を上げるヒントとして

 例えば、先生などからアドバイスもらった際、おっしゃる意味をどうとらえたらいいか迷うことがあります。

 その際は、視座を上げて考えましょうというお話です。

 視座・視野・視点はこの絵の通りで、まあ文字通りですが視座はどこに座っているか・どこまで見据えているか、視野は範囲、視点は特定の部分ですね。

 視座を上げるというのは、この立っている高さを上げる意味で、左側のアドバイスをもらう視座から、右側のように高い視座に立ってみると、アドバイスをどうとらえるかのヒントになるかと思います。

 

③数値分析

③に、数値分析のお話です。本書は特にお勧めで、著者の安宅さんは、慶應SFC出身で神経科学の研究の後、マッキンゼーいって今はヤフーにいる、データサイエンティスト協会を立ち上げた人です。

 で、この本で、意思決定のための数値分析はこれしかない、というのをうたっており、比較、構成、変化です。

 これから研究で数値を扱うかと思いますが、考察の際にはこの比較、構成、変化に着目すると次の着想が得られるんじゃないかなと思います。

 

(余談)

ちょっと自己啓発チックになってきたので、最近というか少し前に私の中で絶賛ブームだった、Youtuberを紹介します。

 データアナリティクスで、Twitterの口コミ分析とかの自然言語処理をきっかけにですね、言語そのもの言語学にも興味をもって知ったのですが、

 ゆる言語学ラジオといいまして、

 左の慶應理工出身と、右の出版社に勤める言語学オタクのふたりでお話しするもので、

 その中でも特に、赤ちゃんが言語を習得するのがいかにムリゲーかという話がとても面白く、

 あと、このひどすぎる卒論は、ほんとに、皆さん元気になれると思います。

 

現在のキャリア

はい、やっと現在のキャリアのお話です。これは今のオフィスに近い画像です。

 

データアナリティクスエンジニア時代 会社概要

で今は監査関連のグループ会社におります。

 そもそも親会社は監査法人なんですが、これは公認会計士の集まりで、公認会計士協会が発表している指針によってやるべき業務が決まっているんですね。

 ざっくり会計士というのは、企業が発表する決算報告が正しいかどうかを、お墨付きを与える仕事をする人で、スポーツの審判みたいな人です。審判が八百長をしてはいけないように、監査法人も会社に対してアドバイスなんかはできたいことになっているんですね。なので、監査法人ではできない、コンサルやシステム開発を別会社として建てたのが今の会社という位置づけです。

 で、私はその会計士の業務を変革したり、作業を自動化することを考える部署におります。

 

データアナリティクスエンジニア時代 職務概要

ここでもいろいろやっており、データの可視化に特化したダッシュボードを作ったり、会計データの分析する人の知見をためたり、

 あとはデータ基盤を運営するチームにも入っています。で、これから紹介するのは、最後の、生成AIを監査の業務に適応するチームのお話です。

 

データアナリティクスエンジニア時代 事例

生成AI、まあChatGPTとかですが、これを監査の業務に適応するわけですが、会計士さんはとにかく大量の文章を書きます。具体的には有価証券報告書の文章をチェックするのは、監査法人です。有価証券報告書は大量の文字で記載されています。実際には経理がこれを作成しますが、正しいかどうかをチェックするのが監査です。

 

 こういった業務には生成AI使えそうという見立てがある一方、生成AIは平気でうそをつきますからなかなか適用には苦労しています。

 さらに、この生成AIの分野はご存じ、開発スピードが速すぎて追いつくのが大変で、その都度方針を変えないといけないです。

 前任者が独立して私がこの業務のリーダーになってしまったので、まあやるべきタスクの整理やら方針やらを決めることに日々頑張っています。

 ここで言いたいのは、こういった複雑な事象や世界的に変化の速い分野でも、一つ一つ整理して明確にすることで、業務を進めることができるということです。

 

転職活動

これまでメーカー、コンサル、エンジニアと経験してきて都度転職してきたわけですが、転職活動の際に考えたことを一部まとめています。

 まず最初の転職では、成長面で大企業でホワイトなのはよかったのですがちょっとゆるめな部署で、最近ではゆるブラックなんか呼ばれていますよね。

 経歴面ではなんか箔がつけたかったのと、最後が一番大きいですが、給与面で年功序列というシステムではなかなか難しく、

 またメーカーという業界の特性上上げづらいという点もありました。

 ただ転職活動中は大企業メーカーということで、信頼性が高いと評価される点ではよかったなと思います。

 

 次の転職は、理由として価値観の変化が大きく、結婚や子育てで自分のためというより他者のために働きたいと思うようになったのですが、

 コンサルでは特にアドバイスという点で貢献感が薄かったのが挙げられます。

 後はお察しの通り、マネージャー層からの厳しさに耐えられなかったというのもあります。

 でポストコンサルは、なかなか厳しくて、コンサルタントに対する期待が高いので、即戦力じゃないとすぐ落とされるというのがありました。

 コンサルを考える人は少し注意かなと思います。

 

(まとめ)人生グラフ

というわけで長々とメーカー、コンサル、エンジニアのお仕事を見てきました。

 まあキャリアは良しあしはなく、自分に納得できるかで、どこに行ってもどうにかなるというのが今言えることかなと思います。

  ちなみに年収は、コンサル時代が最大で、一時新卒の倍くらいにはなりました。

 お金も大事ですが、プレッシャーと比例するので、まあほどほどにとは思います。

 

大学と企業の違いを考える

ってことでここから、今までの経験から、大学と企業に違いを考えてみたので共有します。

 左が大学、右が企業の図ですね

 

大学と企業の違い

キャリアや研究の参考にしてほしい想いで3つ挙げました。

 前提となる目的、複雑性と優先順位、抽象度と具体度です。

 これ自体が抽象度高くて若干矛盾をはらんでいますが、まあこんなもんかと聞いていただければと思います。

 

前提となる目的

まず目的についてですが、大学は文科省によると、教育研究活動を行うとあります。

 一方、企業は、会社法に「商行為」とありまして、この商行為というのは商法に「利益を得る行為」とあります。

 まあ当たり前ですが、やっぱり企業は営利のために、存在するのですね。

 

複雑性と優先順位

次に複雑性で、大学は体系的で、企業は複雑系です。

 例えば、皆さんが知識をインプットする際、大学の履修科目一覧なんかは典型ですね。体系的な授業でインプットできます。

 アウトプットも論文という形だと思いますが、これも論理的に体系的に描く必要がある点で、かなり体系的だと思います。

 一方企業の場合は、まず情報収集するにしても様々な手段があります。また企業のアウトプットが利益を求める意思決定とすると、この決断の連続が複雑です。

 その理由として、自分一人ではなく、複数の他者がいて、それぞれ目標や責任があります。

 でその関係者の範囲もまた多様で、バランスをとりながら企業は「これを実施する!」という決断が必要なんですね。

 限られた資源を使って利益を出さなきゃいけないので、正確性を犠牲にしてもスピード、厳密性より柔らかいわかりやすさが求めれます。

 

抽象度と具体度

最後3つ目に、抽象度と具体度です。

 大学は抽象度の高い例として、モデル化があります。

 管理でもよくつかわれると思いますが、抽象度上げて不要なものをそぎ落として、数式で表現したりしますよね。線形計画問題がまさにそうですね。

 一方、企業では具体性が求められます。その理由は先ほど伝えた、いろんな人の意思決定が複雑だからです。

 例えば、「生成AI」といっても、経営者はChatGPT、開発者はテキスト以外にも画像や音声のマルチモーダル性、利用者はテキストのLLM、リスク管理者は安全かどうか、

 といいったように、同じ生成AIという言葉でも頭にイメージすること、解像度が異なります。生成AIという抽象度から、よりその生成AIは何を指すのか具体的に落とさないと、コミュニケーションに不都合が生じます。

 

大学と企業の違い まとめ

以上から、大学と企業は、目的、複雑性、具体と抽象度という観点で異なるということを見てきました。

 

管理工学科で何を学ぶか

最後に、管理工学科で何を学ぶか、です。この絵は、人・物・金・情報を管理することを表しています。

 

(余談)

またここで余談で、こちらは有名なショーシャンクの空にという映画ですね。

 これが好きって言っておけば、映画通っぽく思われるNo1映画です。

 でですね、「空・雨・傘」という有名なフレームワークがあり、

 空という事実から、雨が降るだろうと仮説を立て、傘という解決策を示すという、問題解決のフレームワークがあります。

 というわけでこれから、問題解決のお話をしていきます。

 

管理工学科と社会とのつながり

ここには、私のキャリアで先ほど紹介した業務を並べて、

 管理工学科のどの授業と関連するかをこちらに線で引っ張ってみました。

 いろんなところで役に立っていることがわかります。

 

あらためて管理工学科とは

そもそも、管理工学科とは、枇々木先生が、このように定義しています。

 問題解決のために、いろんな技術を合わせて、計画といい感じに制御、新しい方法を生み出すとあります。

 右側の図がそのイメージ図です。

 

 私の学生時代の持論は、人ものかね情報の管理を研究するといっていて、要は経営資源をうまく活用することです。

 

 Google検索の結果と解釈では、管理と工学に分けて、

 管理は、目的となる問題解決のために、手段でなんとかすることで、

 工学は、解決策を科学に応用するといった感じでした。

 ふむふむ、といった感じでしょうか。問題を解決することが目的であることは何となくわかりますね。

 

(参考)管理工学科の概要

ちなみに、先ほどの枇々木先生以外にも、管理のいろんなお話が載っていたので研究室を選ぶ際に参考になればと思います。

 

管理工学の入り口 統計

管理工学の入り口の例ということで、これは私の映画のレビューサイトになるのですが、

https://filmarks.com/users/hamayyan

これを自分でスクレイピング・クローリングして、

 右側のように自分がどんなレビューをしたのかを統計的に示して分析してみた図になります。

私は映画を見た後、3が面白い、4が紹介したい、5が価値観に影響といった基準でメモっているのですが、review_scoreで、平均が3.37ということでおおよそいい感じにレビューできていることがわかります。

 review_likeのMore detailで、合計いいねの数は6095だそうです。インフルエンサーには程遠いですね。

 とかとかいろんたことが統計で分かります。

 

管理工学の入り口 IT・システム

次にIT・システムについては、あらゆる場面で必要なので、学生中に例えば経産省等が関与する「Di Lite」を見ておくはどうでしょうかというお話です。

 これは、ITパスポート、データサイエンティスト検定、AIのG検定を合わせた総称で、私もすべて取りました。

 

管理工学の入り口 会計

また会計についてもビジネスの基礎にはなるのですが、これは私自身学生時代とても苦手だったので、この4つのお悩みについてそれぞれ本とYoutubeの紹介です。

 会計全くわかりません、財務諸表なにそれ、例えば?、今の時代まず動画っしょという観点でお勧めしているのでご参考ください。

 

管理工学の入り口 IE

最後私の研究室であるIEですが、IEでは動作の時間分析を勉強するかと思いますが、

 これはその時間分析の例でして、私は趣味で、自分がどのくらい家事・育児に時間を割いているかを計測しておりまして、

 それを今回ダッシュボード化してみた例です。

 

 まずこのToggleという今はWebですがスマホアプリもあって、何をやったかスタートとストップで家事や育児の時間を記録します。

 で今回はそれをPowerBIという、パワポ、エクセル、ワードに並ぶようなマイクロソフトの無料製品で、ダッシュボードとして可視化してみました。

 なお、こういうのを作るのを普段仕事にしています。会計の仕訳データを可視化したりとかです。

 

2023年12月現在、土日も含む、1日平均で5.4時間家事・育児に割いているようですね

 育児では外・公園で遊ぶのが161時間なんだなとか、

 7月の家事は44時間のうち、皿洗いが8時間もやっているんだな、とかとかです。表示しているデータは3185行分です

 

 このダッシュボードの目的は、家事・育児に時間を割いている、という自己満足を得るためです。

 仕事では、だいたい何か問題があり、それを解決するための分析用ダッシュボードを作ることがメインです。

 

問題解決の前提

ここで管理工学科で重要な、問題解決の定義を見てみます。ちょっとややこしいかもですが、ふーんで構いません。

 

 問題は、現状とあるべきとの差分のこと

 論点は、答えと出すべき問い

 イシューはその中でも重要な問い

 仮説は論点に対する仮の回答

 課題は差分の解消のためにすべきこと

 なんですが、これを絵に表したのが次のページでして

 

問題解決のアプローチ

問題解決のアプローチは2種類あるとおもっておりまして、マイナスの現状からプラマイゼロのあるべき姿にするLess Negativeのアプローチと、

 プラマイゼロの現状からプラスのありたい姿にするMore Positiveのアプローチです。

 

 左のLess Negativeではあるべきと現状の差分が問題で、この解決が課題になります。その課題が、各論点や仮説が支えられて、一番大事なイシューを解くことに力を注ぎます。

 一方、右のMore Positiveでは、あるべきではなくありたい姿に向かって、現状から必要な行動を起こします。

 この行動自体が課題でして、論点や仮説が支えており、そのイシューの解決が一番重要ということです。

 

 これらを具体的に実践するのは、IE実験や各研究でそれぞれ考えてみてください。

 コンサルはこういう仕事をしていますし、基礎になっています。

 

管理工学科で何のために学ぶか

で、結局管理で何を学ぶかについては、この問題解決のために、じゃあどうするのかHowの部分、解決策の知識を学ぶこととなると考えています。

 管理ではいろんな手段を学ぶことができるのですが、そもそもどんな問題を解決したいかは、それぞれが研究で考えることになります。

 社会に出ると様々な問題が山積みですが、それを管理工学科で学んだ手段・技術を使って存分に活躍していただければと思います。

 

(余談)

最後の余談で、ちょっと読んでみます。

 君たちったら何でもかんでも分類、区別、ジャンル分けしたがる

 まさにコンサルとかそうですよね、いちいちMECEに分けたがる

 

 はい、ご存じ世界の終わりのHabitという歌詞ですね。

 

 なぜ分類したがると思いますか?

 仕事では限られた時間の中で、早く理解する必要があるからで、

 分類すると、解く問題の範囲を決めることができます、範囲が決まれば全体像が見えてきて、

 問題を効率的に解決できると思っています。

 

学生時代をどう過ごすか

私がもし学生時代に戻ったらどう過ごすかを考えたときに、

 管理ではよく「社会に出て初めて役に立つ」なんて言われるのですが、

 これは仕事で、目的・やるべき・やりたいことが明確になるからだと思っています。

 まあ研究・サークル・何でもいいので、経験してみてくださいという感じでしょうか。

 

 ただ、効率的に進むことだけがすべてではなくて、一見無駄っぽいことでも価値のあることもあります。

 セレンディピティという言葉が私は好きです

 スティージョブズのいう「connecting dots」という感じです。

 

(まとめ)キャリア

以上、とりとめもなく最後駆け足でしたが、

 私個人としては、なるべくエアプしないように、経験したからこそ言える内容をお伝えしてきました。

 

 30代の偉くも何ともない人に言われても、天邪鬼的に、言われたら逆にやりたくなくなる気持ちもわかるんですね(私もそうでした)

 いろいろと自分の頭で考え、良さげなものだけ取り入れ、少しでも皆様のヒントになればいいなと思います。

 

**********

 

いかがでしたでしょうか。話した内容ほぼほぼ全て書き出しているので、これを話せば1時間くらいになります。

 

一つでも何かあなた様の行動につながりますと、筆者冥利に尽きます。

 

はまを

子どもの言葉からコミュニケーションを考える

 



 

こんにちは!

 

はまをです。

 

今回は日ごろから常々考えていた、言葉について記します。

 

私は言葉に対して人一倍繊細で敏感だと自覚しています。

 

小中学生のころ、言葉に関する軽い発話障がい(吃音)で苦しみ、それにより今もなお、話すことが少しトラウマになっているからだと思います。

 

rehab.go.jp

 

言葉と暮らす私たちにとって、言葉は今や当たり前で空気のような存在です。

 

しかし、たかが言葉、されど言葉です。

 

一度立ち止まり、あなた様が使う「言葉」に改めて着目いただけたら幸いです。

 

育休中の集大成感のある文章となりましたが、ストーリーになっていないため、読後感としては「TikTokや、YouTubeショート、Twitterあるいは今話題 のThreadsリプ欄のつぎはぎを見終えた感じ」です。

 

ただしそこそこの分量となりまして、1万文字を超えました。

 

書籍にして20ページ分くらいになりそうで、伝えたい要点は下記です。

※論理的な文章ではないため、繋がりが弱くぶつ切り的で、それぞれの章のまとめになっていないことはご了承ください。

 

本記事の要点

  • 言葉に含まれる意味は(連続的、離散的に)複数あり、文脈によって意味を推察することも必要
  • 子どもに言葉を伝えるにはオノマトペが有効で、目に見える形があるものから始める
  • コミュニケーションの醍醐味は自分の思考を何かしらの手段で伝え合うこと
  • 普段からポジティブな言葉と柔らかい語尾を利用して、優しい世界になってほしい

 

言葉に触れる


育休を取得してよかったことの一つに、娘の言葉を理解できていると感じられること、があります。


娘の言葉単体ではよくわからないことも、前後の文脈や一緒に経験したことから、何を伝えようとしているか推測できます

 

きっと家族以外の人が聞いても、娘が何を言いたいのかすぐに理解するのは難しいのではないかと思っています。


例えば娘が両手を前に出しながら「コーン、ちょーらい」と伝えたことがありました。


一般には野菜のコーン(とうもろこし)を想像するかもしれません。

 

しかし娘が伝えた時間がおやつ時だったことから、「ポップコーン」であると推察しました。


また「ちょーらい」は両手を前に出したことで、「ちょうだい」であることは容易に推測できます。


そこでポップコーンを出し「これ?」と聞くと、娘は「そーそー!」と嬉しそうにお皿を持ってきました。


私も娘が言わんとしていることを把握でき、意思疎通ができたことで嬉しい気持ちになりました。


この嬉しさは、外国で自分の英語が通じた時の高揚感に近いものです。


一緒にいる時間が価値であると感じることができます。


さらにこの、文脈から意味を読み取ることは一般のコミュニケーションにも言えることではないでしょうか。


相手と一緒に過ごした時間や相手がどの程度理解しているかによって、前提や言葉の説明をどの程度詳細にまたは省略して話すことを決めることができます。


相手の状況に応じて利用する言葉を変えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができると考えます。

 

言葉を伝える


言葉は文字通り自己言及性の塊です。

 

言葉、これ自体が言葉です。

 

したがって、自己言及性の体現、セルフリファレンスの権化を目指すはまをとしては永遠のテーマとなります。

 

なお、本記事で利用した言葉もそれなりに気をつけてはおりますが、もろもろ乱れているのは、それもまた一興ということでご容赦ください。

 

hamawwo.hatenablog.com

 


子育てにおいて子どもに言葉を伝えることは、非常に高尚な知的作業と考えます。

 

言語の存在の前に、そもそもコミュニケーションの存在すらも知らない状態から始まり、自分の意思を言葉(あるいは身体)という媒体で伝える必要があるからです。


私は娘に言葉を伝える際、積極的に身体性を取り入れつつ、オノマトペを使うことを意識してきました。


身体性とは字の如く「体の性質、体の動きを伴う様」です。


例えば、

  • ねんねー(寝る)と言う際には実際に横たわったり、
  • おはよーと言う際には手を挙げてみたり、
  • またねーと言う際には手を振ったり

などです。


またオノマトペとは、動物の鳴き声で言う、わんわん、にゃんにゃん、がおー、ぱおーんなどです。


これらには実は人工知能の分野における「記号接地問題(シンボルグラウンディング問題)」と関連するということに、後から知ることとなりました。


子どもに言葉を伝える際、

はじめから大人のような言葉遣いを使っていれば、最近の子役のように小さい子でも大人のような話し方ができるようになるかもしれない

と思うこともあるかもしれません。


テレビ「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に出てくる子どもたちのようになってほしい、

www.tv-asahi.co.jp

 

ドラマ「ブラッシュアップライフ」の子役・永尾柚乃ちゃんが放った幸せのおまじない「みやおかさんはきこんしゃ」と言える子どもになってほしい、

www.ntv.co.jp

 

と言った具合です。


子どもが生まれる前の私がそう考えていました。

 

しかし、物事にはステップがあり、子どもの言語学習には一定程度適した言葉があります。


小学1年生にいきなり正規分布を伝えるのもなかなか困難です。

 

掛け算、割り算から始まり、場合の数、確率、統計、そして分布といった順序が必要です。

 

これでも飛ばし飛ばしのステップであることは想像に難くないでしょう。

 

ブラッシュアップライフの「みやおかさんはきこんしゃ」と言うパワーワードは、バカリズム氏が長年脚本をステップ・バイ・ステップで描き続けてきた賜物でしょう。


そもそも、言葉を知らない子どもは、世の中のあらゆる「対象」と「言葉」が対応している、ということから学ばなければなりません


「名付けの洞察」いわゆるヘレンケラー事件です。


対象と言葉の対応付けに役立っているのがオノマトペである、と私は理解しています。


左脳と右脳の関係、身体動作と言語の獲得の関係について、詳細は下記の「言語の本質」に記載があります。

 

言葉を考える


ここからは「言語の本質」、冒険の書」、「ことばの発達の謎を解く」の一部抜粋と、所感を記載します。

 

読む順序は発行年順の、「ことばの発達の謎を解く」、「冒険の書」、「言語の本質」が良いかと思います。各種情報の鮮度が異なるためです。

 

もし本を読むことが手間と感じる場合、まずはこちらのYouTubeで解説を視聴することをおすすめします。


「言語の本質」「ことばの発達の謎を解く」

youtu.be

冒険の書

youtu.be

 

なお本記事では、言葉は日々使うもの、言語はその体系と捉えています。

 

①言語の本質


まずは「言語の本質」です。

www.chuko.co.jp

 

  • オノマトペ…部分的な類似性から感覚イメージを写しとる。
    オノマトペは右脳の環境音、左脳の言語音の両方で処理される
  • 音象徴…音そのものがイメージを喚起させる現象。「清濁音象徴」は濁点は大きくて重く不快なイメージ
    例…「あ」は大きく、「い」は小さいイメージ。「ころころ」と「ごろごろ」。
  • アイコン性…音と意味の類似性
  • 「ふ」・「ぶ」・「ぷ」で微妙なニュアンスの違いを生み意味を対立させているのは、日本語特有の歴史の産物であり世界共通ではない。日本語と韓国語のオノマトペの音象徴体系は高度に発達している。

 

これらの概念は自分にとっては新しく、そうなんだぁと感心しました。

 

特に音象徴について、私は子どもの名前を決める際「音」から決めたため、意識的ではありませんでしたが結果的に音が象徴するイメージを意識していたんだ、と気づきました。

 

言語はマルチモーダルなものであり、言語の10原則は「コミュニケーション機能、意味性、超越性、継承性、習得可能性、生産性、経済性、離散性、恣意性、二重性」

 

経済性(また多義性)は、言語の情報量、すなわち抽象度と具体度の話だと思いました。

 

 

子どもに「抽象的で複雑な記号の体系である言語」を伝える際に、オノマトペは伝達効率に寄与できることを確信しました。

 

やはり子どもにはオノマトペを使った言葉から始めることがよさそうです。

 

  • 名付けの洞察…ヘレンケラーの例が有名、全てのものには名前がある、単語には意味があるというひらめきを得た瞬間
  • ガヴァガーイ問題…知らない単語を話す原住民が、走ってるウサギの方を指差し「ガヴァガーイ」と叫ぶと、その意味は無限にあること
  • それぞれのことばは一つの対象とのみ結びついているわけではなく、広がりがある

 

ガヴァガーイ問題は今の娘にもよく起こる問題で、例えば私が娘に対し「アレ取って」と言っても、娘はどれを取って良いか分からず、その日に立ち尽くします。

 

また娘は「あんぱんまん」を、子どもたちに絶大なる人気を誇る丸い顔のあの文字通り「アンパンマン」とは別のことを指すことがあります。

 

それは「YouTube」です。YouTubeアンパンマンを見ていたことが要因と考えましたが、YouTubeを見たい時に「あんぱんまーん」と叫びます。


したがって、娘が単に「あんぱんまん」と言った場合、丸顔かアプリかを判別するには文脈を読みとる必要があります。

※ただ最近は基本的にYouTubeを指すことがほとんどです。また、もし手に粘土を持っている場合はアンパンマンのシールが貼ってあるローテーブルを指すこともあります。

 

なお、娘は言葉を覚えたての頃、アンパンマンのことを「あんまん」と呼んでいましたが、次第に「あんぱんまん」へと変化しました。

 

バイキンマンも、「きっきー」から「ばいきんまん」へと変化しました。

 

言葉の変化で成長を感じます。

 

形バイアス…物の名前を指す言葉を、似た形の物に使えるという思い込み

 

要は形から記憶しているということだと理解しました。

 

子どもにはまず形あるものから伝えると良いということでしょう。

 

アブダクション推論は観察データの説明のための、仮説を形成する推論

 

アブダクション推論は過剰な一般化による仮説思考だと理解しています。

 

アブダクション推論はWhy so?、帰納推論はSo what?と理解できそうで、またアブダクション推論は、統計的因果推論における潜在変数の仮定と類似していると感じました。

 

  • 言語習得とは、推論によって知識を増やしながら、同時に「学習の仕方」自体も学習し、洗練させていく、自律的な成長し続けるプロセス。
  • ことばに導かれて、観察不可能な関係の類似性に気づくようになる。

 

「推論」という学問分野は面白そうだなと思いました。


さて、本書を通じて、人のコミュニケーションの手段には、言語の他にも手話、ジェスチャー、写真、プログラミング、など様々あると気がつき、

 

いずれも何かを媒体として自分の思考と相手の思考を一致させようとする試みが、人のコミュニケーションの醍醐味なんだろうなと思います。

 

それでも思考を完全に一致させることは今のところ不可能で、それが曖昧性を含むコミュニケーションの難しさと面白さなのでしょう。

 

論理を正しく推論する能力ではなく、知識を想像力によって拡張したり、ある現象から遡及して原因を考えたり、1番もっともらしい説明を与えようとする人間の思考スタイルこそが、その(推論の力の)駆動力なのではないか

 

今まさにChatGPTを代表とする生成AIにおいて、幻想(ハルシネーション)はアブダクション推論による誤りと類似するものかなと感じました。

 

小休止


ここで娘(2歳5ヶ月)から発せられた、示唆に富み可愛げのある言い間違いをご紹介します。実際に声に出してみると、聞こえなくないものばかりかと思います。

 

滑舌の未発達系

・あっこ(抱っこ)

・いにー(ミニー)

・いんぽーん(ピンポーン)

・かーせーて(貸して)

・かんかんこ(交換こ)

・きっきー(ミッキー、昔はバイキンマンもこの呼び方だったが、次第にミッキーだけになった)

・くと(黒)

・こたっ!(こらっ)

・ごねんね(ごめんね)

・じゅーしゅ(ジュース)

・だーせーて(出して)

・たでたでー(まぜまぜ)

・たんぽっ(散歩)

・ちょーらい(ちょうだい)

・といない(取れない)

・ぱーちー(パーティー

・はんがーがー(ハンバーガー)

・ぷーちゃん(くまのプーさん

・ぼーり(ボール)

・みてーて(みせて)

 

文字多い

・どこーかかなー(どこかなー)


省略系

・あーと(ありがとう)

・あっしゃっしぇー(いらっしゃいませ)

・あっちっこー(あっち行こう)

・あったったっ!(始まった!)

・いいにょーい(いい匂い)

・いったったーしゅ(いただきます)

・おやすみんしゃーい(おやすみなさい)

・ぐーんと(ぐるんと、回転させる)

・たっ!(ごちそうさまでしたっ)

・ちんちーん(チリンチリン、三輪車)

・ついたった(付いちゃった)

・ぷーと(プルート)

 

推察が必要系

 

・ぽぽち(ポテチ、ポテト、どちらを指すかは文脈による)

・しゃーい(してください、何かを依頼する際に目的語に加え語尾に付与)

・きんちゃん(ドキンちゃんまたはコキンちゃん、別ものとして識別できているかは不明)

・あんぱーんちゅ(アンパンチ、何故かキックも含む)

・あんぱんまん(アンパンマンまたはYouTube時々テーブル、どれを指すかは文脈による、もし手に粘土を持っていた場合はアンパンマンのシールが貼ってあるローテーブルを指す)

・あんぱんまんばー?(アンパンマンはどこ?またはYouTubeはどこ?、何故か「は」ではなく「ば」)

・あんぱんまんしゃーい(YouTubeを見せてください、ここではアンパンマンではなくYouTubeを指す)

 

冒険の書

www.kinokuniya.co.jp


ここからは子どもへ投げかける言葉から少し派生し、教育という観点で最近「冒険の書」という本を読み、とても共感するところが多かったので、少し紹介します。

 

  • 実感するのは冒険に出てから
    事前に知って分かった気になってしまうと、本当に冒険で必要になった時、大事なことを見過ごしてしまう。
  • 失敗する権利を奪っている
    すると絶対に失敗が許されない空気が広がる「つくるべきは試行錯誤ができ、失敗が許容される環境」

 

この2つにはとても共感しました。可愛い子には旅をさせよと言いますが、過保護こそ失敗の権利を奪っていることになると考えます。


過保護とまではいかないまでも、常に答えを教えてもらっていては、失敗から学ぶ可能性を狭めてしまいます。

 

何かやりたそうにしていたら、知的好奇心を尊重し、すぐに手を出さず見守ります。

 

転んだり、こぼしたり、失敗したり、少しうまくいかなくても、「大丈夫、できるよ!」と言って試行錯誤させます。

 

もちろん、その結果に責任を持つのは私たち大人です。


「子どものため、相手のため」と思っていることも、「子どものため、相手のためにしてあげていることに満足したい自分のため、子どもや相手の結果の後始末をしたくない自分のため」だったりします。

 

私たち成人は、余裕を持って見守り、耐えることができ、相手の行動に対し責任を持つようになる、そんな大人への成長が必要かもしれません。

 

  • (子どもの実施結果よりもむしろ)プロセスを評価する「Good try!」
  • 鑑賞し、あるがままに感謝する「Appreciate!」
  • 「無用之用」という、余白にこちらの思考の余地を残すことに意味がある荘子の言葉がある

 

特に無用之用は、余裕やゆとりの価値が言語化されていると感じました。


「意味」には、言葉が示す内容、価値といった意味がありますが、ここから派生して、1つの言葉には複数の意味があるものの、ヒューリスティックに1:1で考えがちという自分のバイアスに気がつきました。


例えば「model(モデル)」という言葉があります。

 

ファッションならショーに出るような服をまといランウェイを歩くような人を指し、

数学なら本質となる余分なものを取り除いた数式、

AIなら学習させた仕組みを表し、

データベースならDB設計のことを言ったりします。


学生までは同じような背景を持つ人が多かったのですが、社会人になると個人が持つ背景や価値観が多様化します。

 

その上でコミュニケーションを取る必要が出てきます。

 

すると、同じ単語でも伝えたい意味が異なることがあるのです。


このことから、背景から言葉の意味合いを知ろうとする人がいるのかもしれないと思いました。


その人は言葉の意味が複数あることに気づき、どの意味かを明らかにしようとしているのかもしれません。

 

自分ではなく相手の言葉を尊重するが故に、何を言わんとしているか正確に把握しようと、あらゆる可能性の中から質問・推論し、意味を同定しようと試みます。


(あるいは単純に意味がわからないから推論しようとしていることもあります。)

 

私は学生時代の集大成とも言える修士論文の発表会で、ある教授から「あなたの研究は、意味がないですね。」というフィードバックを頂戴しました。


当時はとってもショックだったのですが、今思えば「意味」は受け取り手が見出すもののため、自分で意味を感じることが自己肯定感を上げることになるのではないかと思います。


(結局修了・卒業できたため、厳し目のお言葉は社会人として頑張れよという激励と捉えることにしています。)


文字通り受け取ることにはある意味で危険性があり、言い換えやリフレーミングの重要性、背景にある真意を探る試みの重要性が脳裏によぎりました。

 

教育ではなく、学育

 

子どもとは教える・教えられるという関係より、共に学びあう関係であるということに共感しました。

 

自立とは頼れる人を増やすこと

 

一見、自分の力で立つことを想定しがちですが、むしろ自分で立つために他者の協力を得ることに価値があることに、共感しました。

 

これは先ほどの「失敗する権利」に通ずるところがあります。

 

③ことばの発達の謎を解く

honto.jp

 

最後に「ことばの発達の謎を解く」を参照します。

 

語彙爆発


最近、娘は事あるごとに「これ、なーにー?」と言うようになりましたが、まさに本書の「ヘレンケラー事件」を経て「語彙爆発」の立証と考えています。

 

「ヘレンケラー事件」とは、ヘレンケラーがwaterと言ったことで、あらゆる物事と言葉が1対に対応していることを学習した瞬間の洞察のことです。


ところで、ここ最近、娘の言い間違いや新しく何かを伝えようとしている姿から、何を言おうとしているか、どうしてそうなるのかを推測するゲームが楽しくマイブームです。


例えば、最近「アンパンマンはー?」ではなく何故か「アンパンマンばー?」と言います。


また、これも未解決の言葉ですが、おおよそ手を挙げながら「ひーぃふぁーい」ということがあります。

 

あとは歯磨きの最中などに「ばーじじ、ばーじじ」と言います。おそらくばぁば、じぃじではありません。


これからさらにどんどん言葉を覚えていくため、いつの間にか修正されてしまうことが想定されるため、


これらの言葉についてはどういう意味か積極的に推察したいと思います。

 

形バイアス


以前妻に「おさるのジョージの影を見てジョージと判断していたことから、色ではなく形で判断していることがわかる。」と伝えていましたが、

 

まさにその内容が本書に「色や模様ではなく形から理解する」と記載されており、本書の実験結果と私の推察結果が一致していたことがとても嬉しかったです。

 

単語の多義

 

「固有名詞より一般名詞を先に覚えるのは、複数のカテゴリに当てはまる言葉の方が、子どもにとって役に立つことをわかっている」


役に立つとは、コミュニケーションをとることとすると、子どもは他者と意思疎通をすることに価値を置いているのではないかと思いました。

 

「言葉は状況によって使い分ける(同じ対象を見ても、状況によって犬、プードル、ペットなどと言い換える)ことができるため、文脈も言葉の意味に含意」

 

まさにAIの分野において、LLM(大規模言語モデル)の爆発的普及により、言語の重要性が増している今、2歳の娘という人間の発達に言語がどの程度必要なのかを生々しく観察できる状況のため、私はとても面白い時代にいるなと感じます。


使用頻度やコミュニケーションに役立つかによって、言葉の意味には連続性の濃淡があると思いました。

 

本質に近いところが意味の中心であり、より濃いイメージです。

 

例えば、赤とは、実際にどこからどこまでを言うのでしょうか。

 

愛とはどういう意味でしょうか。喜び、楽しみ、友情、親しみとは違うのでしょうか、あるいは含まれるのでしょうか。


「似ている」は抽象度が高く複雑な意味を持つと感じました。

 

共通項に納得感があるか、なのでしょうか。


総じて、本書から

  • 言葉は文化や慣習・文脈や状況によって意味が変化すること
  • 言葉は脳内の思考を伝え合うための手段であること

を、強く認識することができました。

 

言葉と暮らす

ここまで、言葉について書籍を通じて考えたことを記してきました。

 

最後に伝えたいこととして、私は「言葉が思考を作る」と考えているため、強く意識的にポジティブな言葉で、柔らかい語尾を使うようにしています。


できていないことの指摘より、少し強引にでも可能な限り良いところを探して言葉にします。


背景に、かつて私は精神的な病になったことで、ネガティブな思考をなるべく避けたいと思ってしまうことがあります。

 

hamawwo.hatenablog.com

 


やはりネガティブな言葉を浴び続けると、思考もネガティブになってしまいます。


しかし逆に、生活がポジティブな言葉で溢れかえると、ポジティブとはいかないまでも、心地よいニュートラルな思考の状態でいることはできると思っています。


したがって、ポジティブな口癖が娘にうつるのはとても嬉しいものです。

 

「あーと!」(ありがとうの気持ち)

「いいねー!」(肯定のスタンスをとる態度)

「だいせいこーう!」(自己肯定感の向上)

「じゃあいこっか!」(まずやってみる思考)

 

どうしてもネガティブになってしまう時の対処法として、ネガポジ辞典替わりとして、流行りのChatGPTで「次の言葉を前向きな言葉に言い換えてください」と聞いてみると、リフレーミングされていい感じです。

openai.com

 

自分が話している言葉がポジティブかネガティブかわかるアプリや、自分の口癖がわかるようなアプリがあればいいなと思っているのですが、未だ見つかっていません。

 

もしご存知の方いらっしゃいましたらご連絡ください。

 

また、柔らかい語尾とは、きつい語尾の反対で、断定的ではなくソフトなイメージです。

 

具体的には言葉の語尾を「XXXな」、「XXXね」、「XXX~(伸ばす)」という感じで終えるようにしています。

 

例えば、やってほしい時・お願いしたい時は「XXXやって。」ではなく、「XXXお願いしてもいいかな」、「XXXをやってみようかね~」、

 

同感する時や言葉を考えている時は「そうだよね~」、「そうね~」、

 

断りたい時は、即相手を否定するのではなく、「今回は辞めておきましょうかね~」といった具合です。

 

特に語尾を伸ばすことはよく実施します。

 

きつい語尾によって、相手を動かしたり言い聞かせたりすることは自分本位です。

 

急いでいる時や余裕がない時、相手への配慮が足りず、素早く言いたいことを言い、自分が不安定・不完全な状態から抜け出したいと思うのです。

 

(ここで、強いメッセージを伝える意図で、あえて「きつい言葉」で記載すると、)自分の思い通りにするための、言葉による相手の支配、いわば自己満足のための言葉の暴力と考えています。

 

きつい語尾で発したとしても、受け取り手はネガティブな感情になることを防ぐため、拒否反応か受け流す反応を示します。するとまたきつい語尾で発し、拒否する・受け流すという負のループです。

 

柔らかい語尾では優柔不断や自信がないように見えてしまうかもしれませんが、それでも私は優しく柔らかい印象で言葉を投げかけ、一緒に考えていきたいと思っているため、仕方がないと割り切っています。

 

娘は絶賛イヤイヤ期、赤ちゃん返り真っ只中です。

 

ピークに達した場合、本当になす術なしです。ほんとうに…

 

それでも、そんな時だからこそ、投げかける言葉には細心の注意を払います。

 

もはや自分との戦いです。

 

息をフーッと吐き、一息ついてから、言葉を発するようにします。

 

こちらの都合や伝えたいことを聞かせる、従わせるのではなく、自ら動いてもらえるような言葉遣いを、全力で考えます。

 

子どもは自由です。時間的、心理的ゆとりを持ちたいですね。

 

そんなこと、わかっている、それでもできないこともあるかもしれません。

 

覚悟を持って、手間と感じても、やるのです。感情が表情や態度で出てしまったとしても、言葉だけは前向きに発します。子どものため、ひいては自分のためになります。

 

大事なのでもう一度。息をフーッと吐き、一息ついてから、言葉を発するようにします。

 

世の中のパパ・ママ、ほんとうにお疲れ様です。

 

さて、いかがだったでしょうか。

 

そこそこ長い文章になりましたが、この文章の長さ自体で、私がいかに言葉を大事にしているかを示せたらと思っています(これもまた自己言及性の一種でしょう)。

 

今回、「言語の本質」、「冒険の書」、「ことばの発達の謎を解く」をそれぞれ読みましたが、個々人の状況に応じたコンテンツ(動画、本等)や体験をすることが経験を豊かにすると実感しました。


今、私は子どもの言語や教育に興味があるため、それ関連のコンテンツの内容は、自分に刺さりやすかったです。

 

また、これも本質とは外れますが、3つの書籍の内容を参照しつつ思ったことを本記事で記載しましたが、3つの書籍を読んでいる間にも考えたことをメモに残していました。

 

したがって、書籍の内容自体以外にも、個人的にはその読書をする時間の長さ自体に価値があると思いました。いわゆる読書体験というのでしょうか。スターバックスは、コーヒーという商品自体に加えて、むしろそのコーヒーを飲む時間にこそ価値がある、といったものと類似しているのかもしれません。

 

子どもへの言葉を考える際、言葉それ自体の価値に加え、考える時間それ自体に価値があるのかもしれません。見えないもの、時間が価値となるかどうかは、アウトプットしているかだと考えています。

 

子どもに話しかける言葉は鍼治療のように、深く刺さり、いつか役に立つときが来ると「アハ体験」となります。

www.1101.com


自己言及をわかりやすく体現する「言霊」を信じる私にとって、これからも共に言葉と暮らしていくことを大切に、少なくとも家では、子どもたちにできる限りポジティブで優しい言葉に触れさせたいと思います。

 

また言葉を伝える私自身が、ポジティブでハッピーに過ごすことで、自己言及性を体現し続けたいと思います。

 

 

hamawwo.hatenablog.com

 

 

はまを

パパが家事を行う時間に関する所感

 

こんにちは!

 

はまをです。

 

今回は家事に関する価値の可視化を実施したお話をします。

 

育休中は自然と仕事より私事に目がいき、自分の家庭について考えることが多くなります。

 

前回の育休に引き続き、今回も家事について思うところを記載します。

 

前回の育休取得

hamawwo.hatenablog.com

 

 

課題感としての症状

 

そもそも家事に関する課題感としては下記でした。

  1. 家事の定義が曖昧
  2. 家事の報酬が曖昧

 

1.家事の定義について

wikiによると、

「家事(かじ)は、掃除、洗濯、炊事、買物などの、家庭における日常生活のことである。」とのこと。

家事 - Wikipedia

 

家庭における日常生活のこと…

 

要は家にいる時の行動全部って感じでしょうか。

 

またよくあるのが、名前のない家事が多いということです。

 

掃除、洗濯、炊事…といったように、おおまかに行動の名前が決まってはいるものの、

 

どこからどこまでの範囲なのか、どうしたら始まり、どうしたら終わるのか、曖昧です。

 

この辺りについては、この前ドラマ化したマンガ「ミステリという勿れ」でも触れられていましたね。

flowers.shogakukan.co.jp

www.fujitv.co.jp

 

本作は視点が独特ですが、わかりみが深いです。

 

また、過去の記事でも所感を述べています。

 

hamawwo.hatenablog.com

 

 

2.家事の報酬について

 

そもそも私は損得で動いてしまう価値観があります。

 

「何かしたらその見返りに何くれる?」思考をしてしまいます。

 

これについては「冒険の書」に、簡単に記載されていました。

amzn.asia

 

曰く、資本主義社会の影響ということです。

 

私は資本主義社会で生きており、それに順応し、社畜民になってしまったがために、行動に対して見返りを求めてしまうようになってしまいました。

 

ひもじく、世知辛いですね。

 

行動に対する報酬が必要という前提です。

 

仕事の場合、自分の行動や成果に対し、給料という報酬が与えられ可視化されることで、それがモチベーションになったりもします。

 

しかし、家事においてはそういった報酬がなく、可視化もされません

 

これもまたドラマ化したマンガ「逃げるは恥だが役に立つ」逃げ恥でも取り上げられていましたね。

www.tohostage.com

www.tbs.co.jp

 

逃げ恥では「家族からのありがとうが報酬」的なことが触れられていました。

 

わかります、とってもわかります。

 

ただこれでは他人依存になってしまい、「ありがとう」と言われないと行動しなくなる危険性もはらんでいます。

 

かつて妻に「感謝されなければ動かないのか?」と問われたことがあります。

 

その時「はい」と答えると…

 

「クソだな」

 

と、ありがたいお言葉を頂戴いたしました。

 

反省です。

 

解決策としての処方箋

 

上記の課題感でのポイント、

  1. 名前のない家事がたくさんある
  2. 家事の報酬は自分の中で作る

ということに対し、考え出した処方箋が、

 

家事管理アプリ「Toggl Track(以下Toggle)」で実施した家事の記録でした。

toggl.com

 

Toggleとは、いわゆるタスク管理アプリで、行動のスタートと終了を簡単に記録することができます。

 

Apple Watchにも対応しているため、簡単に記録できます。さらにWebでもログインして見ることができるため、間違えても後からPC等で簡単に修正できます。

 

記録管理アプリでのコツですが、記録する簡単な方針は「自分ちょっと頑張ったかも、と思った時の家事と育児を記録する」としたことです。

 

例えば、他にやりたいことがある中で、時間を割いた場合は記録します。

 

また無意識でできることや、全く苦に思わないようになったものは記録しない(記録し忘れる)想定です。

 

完全に主観です。

 

家事と育児の棲み分けは微妙ですが、

  • 家事…自分を含めた家族のための行動
  • 育児…家族の内、子どものための行動

とすることにしました。

 

なお子どもが1歳になるまでは、私たち世代では懐かしのMIXI社によるアプリ「ぴよログ」で管理することは、今や一般的になったのではないかなと思います。

piyolog.com

 

ここで2つの課題感についてどう解消したか説明します。

 

1.の「家事の名付けが難しい」問題に関しては、とりあえずタグ付けするくらいの気持ちで、検索性を考慮した行動名で家事を記録することで対応しました。

 

その後何かしらの不都合が生じた場合、家事の名前についての整理は後で行います。

 

というのも、冒頭でお話ししたように、家事には抽象度が様々だからです。

 

過去の記事でも述べています。

 

hamawwo.hatenablog.com

 

 

洗濯といっても、例えば「洗濯物をしまう、洗濯物を畳む、洗濯物を片付ける」など様々あり、抽象度をいちいち合わせるのは困難です。

 

また名前のついていない細々した家事は「●●整理」、「●●準備」とかにしておき、とにかく記録することに重点を置きました。

 

また、家事には一つのタグで表せないものもあります。

 

例えば、外に出る時、おもちゃ片付けなのか、お出かけ準備なのかです。

 

あるいは、息子を抱っこしながら、食器を片付けることもあります。

 

これも、Toggleはタグ付け機能がありますし、とりあえず記録することに重点を置きました。

 

後で修正できますし、そもそも家事の時間の概要を把握することに意味があると思ったからです。

 

ただやはり初めて記録する時は、いちいち家事の名前に少しは頭を使う必要はあるのは否めません。

 

2.の家事に対する報酬について、これは心持ちの問題です。

 

家事の記録時間を見て、

 

「自分、こんなに家事やってる、えらい!」と思うことでモチベーションを保つようにします。

 

私の場合、実施した時間を見ると達成感を味わえるような性格だからかもしれません。

 

また現に、本記事として残しておくことができており、私にとってはある種の報酬になっています。

 

もちろん「自分はこんなに家事をやってるんだぞ」アピールではありませんし、

 

「自分がやってるんだから相手も対等にやるべき」というのは筋違いでありナンセンスです。

 

あくまで自分の中で完結するための手段です。

 

また、育児に関しては「自分、こんなに娘や息子と関われてる、嬉しい!」といった感じです。

 

私は親が直接時間をかけた分だけ、子どものためになると信じています。

 

育児はしなければならない義務というより、したいと思う権利です。

 

私はなるべく子どもと接する時間を多く持ちたいため、関与できる権利を積極的に行使したいです。

 

結果としての経過観察

さて最後に、Toggleで家事をした結果について記載します。

 

なお、時間の分析についてはいずれ気が向いたら実施できたらと思います。

 

1.厄介なことに、家事・育児は直列ではなく並列で進んでいくことに気がつきました。

 

アベンジャーズでいうところの「マルチバース」のようなもので、複数の世界線が多数発生するイメージです(そこまで壮大なものではないですね)。

 

メタバースとマルチバースの違いは?意味や相関性をわかりやすく解説! | メタバース相談室

https://blog-res.xrcloud.jp/res/blog/wp-content/uploads/2022/10/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%A6%82%E5%BF%B5.jpg?x27349

 

「夜ご飯の準備」をしていた最中、突然「子供がこぼしたジュースを片付ける」、「おもちゃを片付ける」、「お風呂の準備をする」などが発生します。

 

自分でコントロールできない仕事が、わらわらわらと突然降ってくるのです。

 

そしてすぐに元の家事に戻る必要があります。

 

あらゆる場面で、いわゆる心理学の「ツァイガルニク効果」を感じることになります。

ツァイガルニク効果 - Wikipedia

 

これはかなりモヤモヤしました。

 

ただ、Toggleでの記録によって、少し前にやっていた家事をすぐに確認できる点で、思い出す手間は少し楽になりました。

 

2.家事はフローで考える必要があることに気がつきました。

 

上記の並行タスクにも類似していますが、家事はその場、その瞬間で終わりということはありません。

 

だいたいの家事はまた次があるため、その前後でどういうことをするかという流れで考える必要があるということです。

 

例えば「掃除機をかける」の場合、その部屋の掃除をして終了ではなく、いずれ掃除機にゴミが溜まった場合には掃除機内のゴミを捨てることになります。そこで、掃除機をかけたらこまめに掃除機内のゴミを捨てる、という家事も発生します。

 

ちなみにゴミ関連でのぼやきで、おむつのゴミってとっても重いんですよね。20Lのゴミ袋がすぐいっぱいになるため、捨てる際はそこそこの筋トレになります。

 

また「食器洗い」も、洗う前には調理で使った計量スプーン・包丁・まな板があり、洗った後も最後食器棚にしまい、また使用する際に取り出します。そのため、例えば調理の際に少ない道具で実施できれば、食器洗い、しまう行為は少なくなります。

 

このように家事はサステナブルな運用です。その後まで想像しフローで考えましょう。

 

3.この家事って本当にここまでする必要あるか疑問に持つことも増えました。

 

自分で家事をやっているからこそ、作業の簡略化や電化製品で効率化を図れそうなところに気づくようになります。

 

今なんとかしたいのは、洗濯物をたたむことです。

 

子どもが小さいと、ひたすら洗濯するんですよね。

 

ほんとに、ただひたすらに、毎日毎日、洗って、干して、たたんで、しまう…

 

整理整頓のため、衣服を長く保つためとはいえ、私にとって特に洗濯物をたたむことは、作業の割にイマイチ価値を感じにくい家事だと思っています。

 

そもそも、どの程度着たら洗濯するのか曖昧で、そこまで洗濯する必要ってあるのかなぁという疑問があります。

 

ここでも作業対効果(思考対効果)を考えてしまう私は資本主義の権化ですね。

 

さらに、洗濯、特にたたみ方は家庭ごとのルールやこだわりポイントが異なるため、この価値観のすり合わせが結構大変だったりします。

 

なお家族が家事を行なっている場面でいちいち口を出すのは「マイクロマネジメント」となるため、イマイチだと思っています。

 

小言が騒がしいおじさんにはなりたくないです。

 

どこまで裁量を持って実施するかについても、対話が重要であることがよくわかります。

 

同じことをいちいち聞かれたり話したりするのは手間かもしれませんが、価値観は人それぞれのため、ある程度の寄り添いも必要ではないかと思います。

 

stretch-cloud.lmi.ne.jp

 

 

終わりに

さて、いかがだったでしょうか。

 

家事についてつらつらと思うところを書き記しましたが、どなたかの気づきになれば幸いです。

 

家事も育児も、結局は家族との価値観のすり合わせや、コミュニケーションが大切です。

 

そのコミュニケーションの手段となるのが、言葉です。これについては次回の記事で記します。

 

なお、この記事を書こうと思ったのが、息子が生まれる前でした。

 

息子が生まれてからは、正直、今回のようにいちいち記録してられないほど、色んなことが起きます。

 

娘のイヤイヤ期、赤ちゃん返りでそれどころではないことも多々です。

 

ただ、様々なことが起きても、少し冷静になるためにも、家事・育児の記録は続けていきたいと思います。

 

はまを

2回目の育休を取得したパパの所感

 

 

こんにちは!

 

はまをです。


今回は2回目の育休を取得したお話を記載します。


職業について、前回はコンサル、今回はエンジニアということで、状況も少し変わっています。

 

※娘の誕生で育休を取得した際の記事

hamawwo.hatenablog.com


30代パパの所感についてつらつらと記していきます。

 

あなた様のためにはならないと思いますが、令和パパの雰囲気を感じていただけたら幸いです。


息子爆誕


2023年5月、息子が爆誕しました。


私は二児のパパになりました。


時が経つのは早いもので、長女は2歳になり、時折くる悪魔のイヤイヤ期に耐えつつも、現在娘はいわゆる「言語爆発」期のため日々新しい言葉を覚えています。

 

「言語爆発」期、言葉の発達、ならびに言葉については、別の記事に記載したいと思っています。


イヤイヤ期についてはこちらの記事に圧倒的に共感しました。

note.com

 


「否定形を理解できない」など、確かに!と思う点がたくさんあります。

 

note.com

 


娘の時と息子の時の違い


ここから娘と息子の違いに焦点を当ててみます。


なお、ママは専業主婦、パパはエンジニアです。


1.立ち会い出産で当事者意識の芽生え

娘の誕生は2年半前ということで、コロナの緊急事態宣言真っ只中でした。


息子の誕生では立ち会い出産を行うことができ、今まで以上に貴重な経験でした。


いきみ逃しなど1番大変とされる陣痛室ではなく、最後の最後の分娩室からの立ち会いでした。


「分娩室なんてもう終盤なんだからね。」


はい、おっしゃる通りです。


ドラマのクライマックスだけ見て、わかったような気になってしまう、いいとこ取り感です。


ママは必死に陣痛に耐えている中、私は助産師さんから呼ばれるまでロビーで待機しています。


待っている時の気持ちは、今か今かと落ち着きませんでした。


どのくらい落ち着かなかったかといえば、病院に向かう際に立ち寄ったコンビニで、


「Monster」500ml、おにぎり2つ、コーヒー入り炭酸「TULLY’S COFFEE BLACK&SODA GASSATA」、ウイダーインゼリー、硬めのグミ「TOUGH GUMMY」、1本満足バーを買ってしまうほどです。


夜だったので寝ずに過ごすかも?と頭をよぎったからたくさん買ってしまったとはいえ、冷静に買いすぎですね。


頭が回っていません。


待っている間、持参した本を読んだりもしましたが、文字を目で追うだけで、全く内容が頭に入りません。


そして…


いざ分娩室に入ると、私はまるで何もできませんでした。


「あれ、何したら良いんだっけ?何するんだっけ」


全く動けません。


パパの無力さ、なんとも哀れです。


助産師さんからは

「うちわであおいでくださいね」

「背中を押してあげるとママは少し楽ですよ」


などと助言をもらって、なんとか行動できました。


ありがとうございます、助産師さん


役割を指示いただき、感謝です。


20:30ごろに分娩室に呼ばれ、無事息子が産まれたのは21:02でした。


生まれた瞬間の気持ちは「感動!!!」というよりも、どちらかというと「もう喜んで大丈夫よね?母子ともに健康よね?」といった具合に、心配の方が大きかったです。


後処理などを終え、21:45くらいに再びママと息子に対面した時に、ようやく少しの安堵感を得ました。


総じて、やはり立ち会い出産を経験できてとてもよかったです。


娘の時できなかったからか、当事者意識がまるで違います。


一貫して味わった気持ちは、心配、無力さ、頑張れ、でした。


ママと息子、家で待っている娘、娘の面倒を見る義父母、みんなお疲れ様でした。


2.里帰りで言葉遣いの重要性を再認識


娘の時は大事をとって出産予定日の1ヶ月前くらいから里帰りをしていましたが、


息子の時は予定日の1週間前くらいから、ママと娘が里帰りを始めました。


そのため、いざ生まれる!となった時は心の準備がまだといった感じで、バタバタしました。


さらに、今回はママの入院が決まると、娘と私、義父母と過ごすことになります。


娘にとってはこんなにママがいない日を過ごすのは初めてです。


とても心配でした。


イヤイヤ期真っ只中の娘と過ごす時間…


しかし意外にも娘のイヤイヤはそこまでひどくはなかったです。


ただどちらかというと、義父母との適度な関係を築くべきだと思うようになりました。


1番感じたことは言葉遣いが娘にうつってしまうことです。


普段から意識することのない様々な言葉を、言語爆発期の娘はよくも悪くも覚えてしまいます。


言葉はコミュニケーションのための道具です。


これからの人生で他者と関わって生きていく必要があるこの世界では、言語の重要性は少なからず大きいと思っています。


近すぎず、遠すぎず。


親しき中にも礼儀あり。


自分たちの家族のあり方も考え直すきっかけにもなりました。


言葉については、別の記事で考えを記載します。

 

3.育休取得で時間のなさを再認識


娘の時は1.5ヶ月間の取得でしたが、息子の時は3週間の取得としました。


娘の時は夫婦2人で娘を見ることができたので、どちらか一方が家事、他方が育児と分担することができました。


しかし今回は、一方が娘を見つつ家事、他方が息子を見ることになります。


そのため、家事・育児の分担が曖昧になり、なおかつ家事・育児を並行して行うことになります。


したがって、自分の時間はより一層なくなりました。


家事や育児に追われ、とにかくすぐに時間が過ぎていきます。


色々と勝手を忘れており手間取ってしまうことも、時間がかかってしまう一要因です。


私が忘れていることに対しママに助言を求めると、Yes, butならぬNo but


たとえば、息子をお風呂を入れる時


「いや、違うでしょ?」

「いや、そんなのどっちでもいいでしょ」

「いや、頭からのほうがいいんじゃないの?」


イライラしてしまうことはいわゆるガルガル期で、産後のホルモンバランスの乱れと睡眠不足によるものです。


ここから完全に確証バイアスのかかったパパ目線のぼやきとなります。


少し大袈裟ではありますが、下記の記事には理解できる部分があります。

 

「同じ経験をしてほしい」から、「私と同じくらい辛い目にあってほしい」にすり替わっているのかも

www.lettuceclub.net

 

言葉は無意識に心に刺さってしまうこともあります。

 

パパはおおらかな心で迎え、耐え忍びたいと思います。ニンニン


その後、息子が寝るまで動けず、やっと寝たと思ったら家事や娘の相手…


特に2人目の場合、育休の期間にリスキリングなんてことは、なかなか至難の業であることをより実感します。


育休の期間に関する個人的な所感は、1人目より2人目の時に、長めの育休取得を検討しても良いでしょう。


最後に

さて、以上、取り止めもなくつらつらと記しました。


世の中の家族皆様、子どもたちを含めた家族の愛すべき未来のために、一緒に頑張っていきましょう。


はまを

コンサル歴2年半でエンジニアへ転職したお話



こんにちは!

 

はまをです。

 

前回の記事から1年以上経ちました。

 

 

hamawwo.hatenablog.com

 

 

今回はタイトルの通り、私はコンサルタントの働き方に適応できず淘汰され、

 

転職活動を行ったので、そのプロセスと結果について記載します。

 

結論、2社から内定をいただいたのち、社内向けシステムのエンジニアに転職することになりました。

 

逃げるは恥だが役に立つ

 

私の座右の銘になりました。

 

鬼ヶ島

 

「いざ、鬼ヶ島!!!」

 

全力で走っていました。

 

しかしいつの間にか鬼たちがゴロゴロいる茨の道に迷い込み、

 

棍棒フルボッコになった挙句、イバラの棘が刺さりまくり治療が必要な状態になりました。

 

目指していた方向も実は違っていたことに気がつき、トボトボと後戻りします。

 

もちろん優しげな赤鬼、青鬼もおりました。

 

イバラの棘の抜き方、イバラの道の避け方を教えてくれる鬼。

 

比較的扱いやすい棍棒の使い方を教えてくれる鬼。

 

「まずはありがとうございます。ここの部分についてですが…」とYes, butで優しく詰めてくる鬼。

 

そう、あくまで「鬼」ですので、棍棒はしっかり振りかざします。

 

私は鬼退治をしたいわけではない。

 

私は鬼になりたかったわけでもない。

 

私って鬼ヶ島に行きたかったんだっけ。

 

いや、ただ棍棒が欲しかっただけじゃなかったっけ。

 

いや、ただ「鬼ヶ島に挑戦するイケてる自分」に酔ってみたかっただけだったのかも。

 

気づけば2年半が経っておりました。

 

おじいさんに優しく育てられすぎたのかもしれません。

 

鬼ヶ島からは早々に撤退し、休養を取ることにしました。

 

「次はどこに向かおうか…おじいさんの下に帰るわけにもいかないので、

 

いったん、イヌ、サル、キジを仲間にするためのきびだんごを作るところからはじめましょうかね。」

 

ゆるりと歩き始めました。

 

転職背景

 

前回の記事の2021年9月ごろから1年程度は、ほとんど社内向けの仕事(インターナルワーク)にアサインされ、

 

日々せっせと仕事を行っておりました。

 

社外向けに自社のランディングページを作成マーケティングに貢献する、

 

全社DXの施策となるプロダクト開発を行い、全社アイデア賞を受賞しボーナスに影響する評価も最高ランクとなる、等

 

それなりに充実した生活を送っておりました。

 

2022年9月、いよいよ準備は整い、いざクライアントワークへ復帰!

 

コンサルタントとしてのキャリアを再スタート!

 

となるはずだったのですが、そのプロジェクトの難易度がえげつなく高く、

 

3カ月間走ってみたものの、いよいよ限界を迎え、

 

再度メンタル異常の兆候が見えてしまうことになりました。

 

「こんなクソみたいな資料をよく持ってこれるね」

 

「考えることを放棄してるね」

 

「バリューのない仕事しても無駄だからね」

 

ある特定の、特殊な環境で、全員が全員このようなタイプの人たちではありません。

 

ただ、頭が良すぎる人たちには、凡人めである私の力では

 

当然ながら太刀打ちできるものではありません。

 

気づけば鬼に囲まれていました。

 

なるほど、私にはコンサルは向いていないんだなと思い、転職活動を行うことにしました。

 

所属部門トップのパートナーからも

 

「はまを君が評価されるような機会が、コンサルにはないのかもしれないですねー」

 

といわれる始末…はい、おっしゃる通りです。

 

転職活動

 

所属部門トップのパートナーにも相談し、2023年1月はまるまる有給休暇をいただけることになりました。

 

その休暇中1月の1カ月間で、一気に転職先を決める想定です。

 

2022年末の時点でまだ転職先が決まっていないにもかかわらず、

 

所属部門トップのパートナーに対し

 

「転職活動に専念します!」

 

というのはなかなかレアケースで、当該パートナーも本ケースは初めてだとおっしゃっていました。

 

ありがたい話です。

 

さて、2022年12月中旬より転職活動を開始しました。

 

前回の事業会社からコンサルへ転職した際にも利用した、某R社の転職エージェントに登録したところから始まりました。

 

某R社以外のヘッドハンター的な人ともやり取りを行いましたが、

 

個人的には、数あるエージェントでも、特に某R社の担当エージェントに相談することはお勧めします。

 

理由は、自分がモヤっと描いている転職の動機、軸などを話すことで、

 

フィードバックとしていい感じの言葉に変換してくれる、言語化してくれるためです。

 

そのまま職務経歴書なり面接なりでそのキーワードを使うことができます。

 

そもそも私がそういう言語化を苦手としているからかもしれませんね。

 

また今回の転職理由はネガティブなもの(仕事の環境が過酷で耐えられない)ですが、

 

エージェントに相談することで、前向きな転職理由に言語化してくれます

 

私の場合、面接では

 

「貢献感と具体的な仕事をしたいこと、あとはワークライフバランスの見直しのため」

 

と伝えていました。もう少し具体的に、面接では下記のように話していました。

 

  • (略歴の説明後、得たスキルを伝えてから)今まで得たスキルを、自分のためではなく、より社会や会社に還元することで、結果的に私自身も貢献感を感じるような働き方と、
  • 過去の仕事の経験から、抽象的な上流での仕事よりも、より具体的にコードやデータを触りながら進める仕事のほうが自分に合っていると感じており、
  • 改めて事業会社を中心に、転職活動をしています。

 

エージェントに登録後、希望する企業を検索してお気に入りに登録していきます。

 

同時に、適当に職務経歴書と、某R社独自の履歴書を書きつつ、

 

面接でお話しするであろう経験について振り返っていきました。

 

就活でよくやる、いわゆる自己分析ですね。

 

経験を振り返る際、就活や前回の転職活動等でも活用したフォーマットがあります。

 

まず大枠をつかんでもらうための前提とする「事実」として、下記を記載します。

 

  • 業務の期間
  • 業務タイトル
  • 業務概要
  • 結果
  • 体制・メンバー
  • 自身の役割

 

そして、面接で聞かれるであろうことに対する答えを作る目的で、下記5つの観点で思い出します。

 

  • 出来事のきっかけ・動機・もやもや

 

業務の中であるきっかけや動機、もやもやが起きます。

 

  • 困難

 

その中で自分にとって難しいことが起きます。

 

  • 成功要因=狙い・工夫点

 

困難に対し、どう考えたかを記載し、ここが自分なりの考えや価値観が反映される、押しポイントです。

 

  • 行動・結果

 

行動した結果、どうなったかを事実として書きます。

 

  • 学び・次につながる行動

 

上記の一連の流れにより、何を学び、次に活かせる経験になったかを明らかにします。

 

今振り返ると、結果的に面接ではこのうちの一部しか話さないのですが、

 

私の場合、事前に準備していないと話せないタイプなので、いつも実施しています。

 

また職務経歴書にも記載することで、面接の際に

 

「ここについて詳しく教えてください」

 

と聞かれることが多々ありました。

 

参考になれば幸いです。

 

面接

 

結果的に36の職に応募し、書類選考を通過したのは12、2次面接に進んだのは3社、内定をいただいたのは2社となりました。

 

なかなかうまくはいかないものですね。

 

書類で落ちるのはどうとでもなるのですが、

 

面接を実施した後見送りのメールが来ると、

 

たとえ「その会社に合わなかっただけ」と理解してはいるものの

 

話すことが得意ではないガラスのハートの持ち主(はまを)にとっては、つらいものでした。

 

今考えて失敗だったなと思うことは、

 

優先度の高そうな会社を最初のほうに応募したことです。

 

書類審査を通過し面接となった際、伝えたいことが曖昧な状態で話すことになりましたが、

 

転職活動が進んでいくと、一般的な質問を何度も答えることになります。

 

一般的な質問とは、経歴、転職理由、志望動機、何やりたいか、キャリアプラン、仕事で大変だったことをどう乗り越えたか等です。

 

ある程度話す内容が同じなため、転職活動の後半に受けた面接のほうが、それなりに流ちょうに答えられます。

 

「はいはい、またこれね」

 

といった心持ちです。

 

面接に慣れていない人(はまを)としては、当たり前に聞かれることの解像度が低い状態で面接に臨むことになってしまったと反省しています。

 

行動してから考えるという私の思考のクセが出た結果ですね。

 

また会社によっては、見送り(=不合格)になった際にも理由をフィードバックしてくれることがあるので、

 

次の面接や企業選びにいかすことができます。

 

したがって、面接スケジュールを考え、選考の順番をある程度考えて応募を進めていくのが良いかもしれないと思いました。

 

なお今回の面接は全てオンラインだったことは救いでした。

 

面接が得意ではない人(はまを)としては、裏にキーワードを書いた簡単なメモ(カンペ)を置きながら話すことができるので、

 

伝えたいことはもれなく伝えることができます。

 

内定

 

さて、最終的に内定をいただいた会社は、次のような2社でした。

 

1.社内エンジニアとして、AIやデータ分析を行う。

→年収に懸念

 

2.DX戦略コンサルタントとして、データマネジメントの支援を行う。

ワークライフバランスに懸念

 

簡単に2社を比較すると下記です。

 

 

1.社内エンジニア

2.DX戦略コンサルタント

総合所感

年収に懸念

― 

ワークライフバランスに懸念

年収見込み

×

前職より低い可能性

現職と遜色なし

職種

エンジニア

コンサルタント

クライアント

社内向け

社外のクライアント向け

業務内容

知見のあるAI・データサイエンス。「やりたいことを何でもどうぞ」と言われている。残業なし。

知見がないデータマネジメント。コンサル業務のためワークライフバランスは不安。残業40時間程度か。

自身の貢献度

チームメンバーのレベルは未確認だが、スキルセットを生かしやすいため貢献度は高い。

期待値によるが、やることがたくさんあるという意味では貢献度は高い。

社風とキャリア

穏やかで詰めることは基本ない、データアナリティクスにこれから力を入れるため伸びしろあり。

できて1年程度の部署のため、古参としてキャリアを積める良さあり。

 

表の軸の設定、つまり何を大事にするかで意思決定を行う必要があります。

 

心身の健康、家族との時間、仕事の難易度、今後のキャリア、社風、年収…

 

元々転職活動を始める際に、意思決定する際の軸を定めており、面接でも伝えていたはずでしたが、

 

いざ意思決定をする場面になると軸がぶれてしまい、こうも迷ってしまうものですね。

 

家族や関係者と話したり、内省したりして考えた結果…

 

目先の給与や今後のキャリアの可能性に挑戦することより、

 

心身の健康と家族との時間を大事にしたい想いを優先し、

 

1の社内エンジニアに転職することに決めました。

 

中学生の頃から

 

「将来は大企業に勤め稼ぐことで、将来家族にお金が制約にならない生活をさせたい」

 

と決めていた私にとっては、大きな方向転換となります。

 

2.は誰もが知る大企業かつ給与も申し分ありません。

 

しかしいざ社会人になり家族を持つと、意思決定の判断軸は変わるものですね。

 

自分の健康第一というのが身に染みた2年半のコンサル生活でした。

 

前職も社内SE的なところがあり、どうしても相対するクライアントが社内か社外かで、自身のパフォーマンスに大きく影響してしまうと考えました。

 

対人コミュニケーションに対しては、小中学生のころのトラウマもあると思います。

 

これについてはまた別の記事で記載したいと思います。

 

これから給与は圧倒的に激減し、転職先の部署でも

 

「さーて、はまを、あなたは何ができるんだ?」

 

といった目で見られることでしょう。

 

社内エンジニアとしてスタートダッシュが切れるように、

 

これから準備を始めたいと思います。

 

鬼ヶ島に行かなくても、健康で楽しく生きていきたいです。

 

はまを

コンサル歴1年で炎上案件に続けて飛び込んだ結果、無事生還とはならなかったお話

 

f:id:hamawwo:20210819233143p:plain

 

 

こんにちは!

 

はまをです。

 

前回の記事から4ヶ月ほど経ちましたが、その間にいろんなことがありました。

 

 

hamawwo.hatenablog.com

 

 

今回はタイトルの通り、炎上案件を2つ続けて担当した結果についてお伝えしたいと思います。

 

結論、ストレス性の病気と診断されてしまいました。

 

仕事に支障をきたしているという点で、中等度らしいです。

 

人生山あり谷ありとはよく言ったもので、

 

まさに、今年の4月中旬まで、娘が生まれ育休を取った頃までが山、

 

それからの4ヶ月間は谷だったのでしょう。

 

 

hamawwo.hatenablog.com

 

 

ここに至る経緯と今後の方針についてお伝えし、

 

少しでもどなたかの救いになれば良いなと思うと同時に、

 

周りにこうなった人がいらっしゃる場合、

 

その方への接し方のヒントになればと思うことを記しておきたいと思います。

 

ストレス性の病気については、こういったブログに書くことはあまり良くないとされています。

 

内容も抽象的には書いたものの、読後感として気持ちの良いものにはなっておらず、

 

こうして記述することも迷いました。

 

しかし、私の人生の1ページとしてはとても重要な出来事だったため、

 

しっかり残しておこうと思い、こちらに記しておきます。

 

炎上案件その1:某建設会社

 

建設会社で炎上案件と聞くと、なんだかドラマになりそうですね。

 

さて、本案件に加入したのは4月終わり頃、

 

育休明け後、いくつかの案件の後でした。

 

案件内容としては「ITを使ったビジョン策定支援」です。

 

簡単にいえば、

 

IT後進と言われる建設業界で、ITを駆使し、

 

あんなこといいな♪

できたらいいな♪

あんな夢こんな夢いっぱいあるけど〜♪

 

 のために、何をやっていくかを考えるお手伝いです。

 

弊社メンバーは3人、シニアマネージャー、マネージャー、私です。

 

マネージャーは初対面の方でしたが、

 

結果的にこの方とは性格が合わないと、後にわかることとなりました。

 

お客さんは、役員とその部下たち計15人程度でしょうか。

 

会議は週に3回(月曜、水曜、木曜)、分科会×2、役員報告会です。

 

このご時世にも関わらず、毎度出社していました。

 

その中で、ビジョン策定を行うためにワークショップを開くことになりました。

 

ワークショップとは、みんなでふせんペタペタ模造紙に貼りながら、

 

ある程度の結論を出していく感じの、3時間程度の会議です。

 

お客さんから私たちへの期待は以下のようなものがありました。

 

  1. ファシリテーション
  2. コンテンツ作成

 

コンサル会社に求めている内容としてはごもっともだと思います。

 

しかし、頼む部署、人が違っていたと考えます。

 

私たちの部署はデータ分析を強みとしています。

 

確かにコンサルとしての役割は果たす必要はありますが、

 

テーマとしてはややかけ離れていました。

 

また、私はファシリテーション(司会役)が苦手です。

 

みんなの意見を聞き、まとめ、結論を出し、次の行動につなげる、

 

そんな高度なファシリテーション力は、

 

残念ながらペーペーの私には持ち合わせておりませんでした。

 

そんな中でまずはコンテンツ作成のために、日々パワポで資料を作っていきました。

 

ボツになった枚数はどのくらいだったのでしょうか。

 

作ってはボツ、作ってはボツ、

 

マネージャーからは正論の質問攻め

 

キャッチボールが終わらないため毎日深夜に及びます。

 

深夜になってもマネージャーとチャットでのやりとりは続きます。

 

その時の日記があるので、そのまま転載してみます。

 

**********

 

2021年5月7日

 

某建設会社でのビジョン策定

1:30就寝、7:00起きで、

寝る時は気持ち悪く、朝も食欲がない

睡眠時間が少ないから辛いのもあるが、

時間が限られる中で(自分で追い詰める、マネージャー寝てない)無言の圧をかけられつつ、

やることが複数終わっていない中で、

一つのことに対しやるべきことができていない、

やるべきことが分かってない、

終わる気配がない、終わりが見えないから辛い

いわゆる、キャパオーバー

 

 

**********

 

もちろんゴールデンウィーク中も仕事の調べ物、

 

土日もろくに休まらず、

 

次第に体調を崩していきました。

 

**********

 

2021年5月15日

 

キャパオーバーがたたって、午後休をいただいた。

  • 期待、求められていると思っていること
  1. ファシリテーション
  2. ストーリーメイク、全体像把握、スライドライティング
  3. 調べ物
  4. 議事録作成

 

  • 期待に対して難しいと思っていること
  1. やったことがなく、こんなこともできないのかと失望させたり、怒られることが不安で動けない
  2. 業界知識不足で相手に刺さりそうなものが何かわからない→データ、AIの部分で貢献したい
  3. 覚えられない、認識違いが起こる→都度、私が理解している部分を確認する

 

  • 不安事項

・この1年間、外に出て直接人と会って仕事することがなかったので、コロナ禍、娘が生まれたばかりの状況下で外に出ることが気づかないうちにストレスになっていた

 

 

**********

 

この頃から、さらに仕事でのミスが増えるようになりました。

 

以下は、普通に考えれば起こるはずのないミスです。

 

**********

 

2021年5月18日

 

他の部署のパートナーへ直接メールしたら叱咤された。直接聞く前にちゃんと調べたのかと。

この業界でもトップへのメールはいけない事が勉強になった。

 

**********

 

いよいよ体調的にも限界と感じた私は、

 

勇気を出して、本案件とは関係のない上司に打ち明けることにしました。

 

3時就寝からの6時起床で、上司へメールしたのは6時15分頃でした。

 

**********

 

2021年5月19日

 

早朝勇気を出して、今のままでは体調不良になりそうだということを、弱音と共に上司さんへ言ってしまった。

今朝も食欲がなく、胃がもたれ、手が若干震えた。

本当にピンチであるときには、

何を言われてもインプットできず、

思考停止に陥り、

人に頼ることができなくなることに気づいた

 

その後、マネージャーさんに伝えてしまうと、シニアマネージャーさんも含めて気遣ってくれ、23時になったタイミングで仕事を終わって良いと言われた。

特に今日はタスクをほとんど振られなかった。

 

もはや評価が最低ランクでも、生命には変えられないと思った。むしろ、低評価をつけていただいた方が、変な期待を持たれなくて済むとも思った。

一方で、今後も遅かれ早かれこのような状況に陥ると推測され、乗り越えていかなければ昇進が遅れるんだろうなと懸念を抱いた。

今後、シニアマネージャーさん、マネージャーさんからは仕事を振られることはないんだろうなと思った。

明日、本案件を続けられるかどうかを上司さんと相談するが、事実と所感を分けた上でキャリアの話をしたい。

 

 

**********

 

上司への相談の結果、本案件から抜けさせてもらうことになりました。

 

なお後から聞いた話によると、私が抜けた後2週間で

 

本案件はボツになったそうです。

 

お客さんは、もはやプロジェクト全体が崩壊していたと判断されたようですね。

 

**********

 

2021年5月26日

 

某建設会社の案件を脱退した。

終始、できないことばかりだった。

デスクトップ調査(特に海外事例)、議事メモ、話の理解、ファシリ、ヒアリング、スライドライティング、論点整理、ストーリーメイキング。

できたことは、浅い国内事例収集。

分析ならバリュー出せる、と私の所属部門長さんには伝えてしまったが、本当にそうなのだろうか。

いかに極めるか、本気で取り組まないと、また同じ過ちを繰り返してしまう。

 

 

**********

 

ここで気づいたことは、

 

本当に辛い時は、人に打ち明けることが困難ということです。

 

私の場合で言えば、早朝上司へのメールです。

 

その日までは精神的、肉体的にもつらく、

 

思考力も低下していました。

 

当時の日記も誤字脱字が目立ち一部修正しました。

 

一刻も早くこの状況を抜け出したいと思う一方、

 

上司へ報告したらキャリアが終わるのではないか、

 

もう仕事が任せられなくなるのではないか、

 

会社に居づらくなるのではないか、

 

と心配しました。

 

その結果、上司にもこの状況を言うことに対し躊躇していました。

 

もし周りに少し辛そうな人がいた場合には、

 

大丈夫?元気?と、声をかけてみてください。

 

そう聞かれた場合、私はこう答えました。

 

「大丈夫、とは言い難いですかねぇ」

 

「んー元気…なのかなぁ」

 

一回勇気を出して話してみると、

 

その後少しでも声をかけられると、つらさをポロリポロリと自分の口から伝えるようになっていました。

 

さて、こうしてなんとか某建設会社の炎上案件としては、終焉を迎えることとなりました。

 

これでようやく少しは楽なる。

 

そう思った私が間違いでした。

 

思いの外ダメージが大きかったことを思い知らされました。

 

炎上案件その2:某嗜好品会社

 

次に入った案件は、6月の初め。

 

先の案件を脱退してから1週間後でした。

 

同時に新人研修の某BIツールの講師をすることになったため、

 

並行して資料を作成し、講師として説明したりしました。

 

さて、案件内容としては、ダッシュボード構築支援です。

 

簡単に言えば、例えばコロナの人数を確認する際、

 

こういったものを目にしたことがあると思います。

 

f:id:hamawwo:20210819233402j:plain

 

こういう指標や数値を日々確認するためのWebアプリ

 

(これをダッシュボードと呼んだりします)を作るお手伝いです。

 

もう少し業務寄りに言えば、某嗜好品が、

 

今月はどれくらい売れたのか、

 

目標に対してどのくらいか、

 

シェアはどのくらいか、

 

といった数字を見ていくダッシュボードを作ります。

 

今回は弊社のあるメンバーの交代要員として参画するとのことでした。

 

今回のマネージャーは、昨年一緒に案件を共にしたことのある人だったので、

 

前回マネージャーよりはやりやすいと感じていました。

 

さて、上記の案件内容を説明受けた後、マネージャーからはこうも伝えられました。

 

まず、プロジェクト進捗具合を【晴れ、曇り、雨】でいえば、正直【雨】です。

 

前任者がお客さんの本番環境のデータベースを止めてしまって、

 

不信感を抱かれているステータスです。

 

序盤から不穏な空気を感じました。

 

お客さんは、部長とその部下たち、その他部署をふまえると計50人程度でしょうか。

 

関係者が多すぎます。

 

その中での私の担当は、ダッシュボード作成にあたり

 

「データに詳しい人としてどのデータベースからどのデータを使うのか提案すること、

 

データベースから数値をどうやって作成するか、実現可能性を考えること」でした。

 

例えるなら沢山いるシェフに対して、

 

冷蔵庫に大量にある食材のうち、どの食材で、何を料理するのか提案する、その料理は先月どのくらい売れたのか、

 

例えばカレーは作ることができるのか検討する、そんなイメージです。

 

皆さんはどこから手をつけるでしょうか。

 

私はまず、大量にある食材を把握する必要がありましたが、これに多くの時間がかかりました。

 

特大の冷蔵庫が複数あり、冷凍庫、冷蔵庫にパンパンに入った食材を一つ一つ把握するのは至難の業でした。

 

それらを把握した後、次は料理を検討しますが、

 

作る料理がコロコロ変わります。

 

関係者が多すぎる、すなわちシェフがたくさんいるからです。

 

カレーが食べたい

 

いや、やっぱりハンバーグ

 

いやいや、まずは簡単なうどんにしよう

 

業務要件がコロコロ変わるたびに、都度データを作成し、検証します。

 

複数人のシェフから、こうしたいああしたいと要求が次々やってきます。

 

ここで私は受け止めきれず限界が来てしまいました。

 

当時の日記から心理状態の変化を見てみましょう。

 

**********

 

 

2021年6月6日

明日から多忙が想定される

高い成果物、相手にとって意味のある仕事ができるかどうか不安

孤独感を感じず、チームで向かって、責任が分散したらいいなと思う

 

2021年6月7日

緊張してあまりぐっすりと眠れなかった

動悸というのだろうか

 

2021年6月15日

前日22時に布団に入ったものの、月曜、火曜ともに、朝方4時5時に心臓のドキドキで目覚め、トイレに行く。

その後眠れているのかいないのか分からず、7時に布団を出る。スマホを見ると少しドキドキがおさまる。

起きている時間帯は、時々軽い咳もでる。

要因はおそらく仕事のストレスからくる切迫感

 

2021年6月17日

今週は毎日5時に心臓のドキドキで目が覚め、深呼吸するもののおさまらず、何をすればおさまるのかわからない。

 

2021年6月25日

正直議事録ひどいですね

23時過ぎ、メンバーさんからのチャットで落ち込み、マネージャーに弱音を吐いてしまった。

・誤字脱字、口語で読みにくい→3回読み返し、文語で記載する

・同じ内容を繰り返している→質疑応答、結論、補足を記載する

・理解しないまま記載している→話が通るようにする、できないなら抜け漏れなく記載する

おっしゃる通り正論であり、質の低いアウトプットだった。

最終的に2時に寝た。

 

2021年6月29日

夕方のMTGで単純な質問に対して答えられず泣きそうになる

 

2021年6月30日

朝食欲なく、バナナ2本とウイダーゼリー、水を摂取

咳が出る

 

2021年7月1日

朝、頭痛と気持ち悪さ

休みなのにドキドキして、眠りの質が良くない

「助けて、助けて」と頭に浮かんでいる

 

2021年7月2日

3:30緊張、5:40,6:20ドキドキ、下痢気味、気持ち悪い

朝ごはんバナナ2本(水で流し込む感じ)、ウイダーゼリー、ヤクルト、パウンドケーキ1かけら(牛乳で流し込む感じ)

 

 

**********

 

 

日に日に精神が削られていく様子がわかります。

 

そして産業医と面談することになりました。

 

面談にあたり、勤務時間を整理することにしました。

 

記憶と記録を総合しているため、おおよその勤務時間になります。

 

産業医面談のメモ

・5月勤務…226H/18日(12.56H/日)

・6月勤務…261.5H/22日(11.89H/日)

 

メモできていない日もあったためもっと多かったと思いますが、多くの実働、残業を行なっていたことがわかります。

 

最終的に、心療内科にてストレス性の病気と診断され、薬による治療を行うことになりました。

 

受診の結果を受けて、二つ目の案件も脱退することとなりました。

 

苦しい限りです。

 

要因と今後の対策

 

こういったストレス性の病気は、要因としては人それぞれです。

 

私の場合は、期待値調整の失敗と、周囲の手助けの無さが要因だったと思います。

 

一つ目の案件では、私が苦手とすることをクライアントやマネージャーから求められ続け、

 

案件の最初にマネージャーと期待値についてすり合わせできなかったことで、

 

できないことを時間で埋めようとしてしまい、高ストレス下での長時間労働となってしまいました。

 

最初の期待値調整、つまりこれはできる、これはできないの範囲をあらかじめ決めておくことが肝要だったと反省します。

 

二つ目の案件では、期待値についてはすり合わせしておりました。

 

しかし困った時の相談役がおらず、自分だけで解決しなければならないと思い込み

 

周囲の助けを求めることができなかったことが要因だったと考えます。

 

追い込まれると周囲が見えなくなってしまう傾向は、私だけかもしれませんが、

 

困った時に助けを求める勇気、周囲を巻き込む元気を持ちたいなと思いました。

 

良かったこととその後

この4ヶ月間で救いだったことは、メモを記入していたことです。

 

心理状態や、食欲、睡眠状態など、なんとか本音をメモしていたことで、

 

いざ健康状態が悪化してきた際、事実に基づいてお話しすることができます。

 

悪化している状態では記憶力も曖昧になってしまい、思考力も低下しているため、

 

こういったその時のメモが重要になります。

 

メモの重要性を知り、心理的なストレス緩和を目指して、

 

今後は4行日記をつけることにしました。

 

冒頭3行はその日良かったこと、ラスト1行は明日への願いを記入します。

 

これは以下の本に書かれていました。

 

「ストレスフリー超大全 樺沢紫苑」

f:id:hamawwo:20210819235034p:plain

 

さて、心療内科を受診後、長めの夏休みをいただき、

 

今週から仕事を再開しました。

 

薬による治療は継続しています。

 

体を壊してから初めて気づいた自分の限界と、

 

健康第一であることを実感した4ヶ月間でした。

 

こんなご時世だからこそ、人との繋がりといいますか、

 

ちょっとした声かけができると、世の中少しは明るくなるなと心から思います。

 

 

 

はまを

事業会社からコンサルへ転職した際に参考になった書籍・マンガ4選

f:id:hamawwo:20210417235909j:plain

 

こんにちは!

 

はまをです。

 

はじめに

 

前回、事業会社からコンサルへ転職した際のTips集として、考えたことを書きました。

  

hamawwo.hatenablog.com

 

 

今回は、転職活動を通して参考になった本3冊とマンガを紹介します。

 

前提として、はこの3冊+マンガしか読んでおらず、

 

あとは全て転職エージェント及びエージェントからいただいた資料しか利用していません。

 

いわゆるコンサル本、論理思考本ではなく、

 

あくまでも転職活動について考えるための本やマンガたちです。

 

 

1.エンゼルバンク

 

f:id:hamawwo:20210417234548j:plain

 

私の人生におけるバイブルです。

 

実はこれは就活の時にも大いに参考にしていました。

 

参考になった言葉は以下です。

 

「ビジネスに必要なことは信用」

 

「右向け左、の人が優秀」

 

「雇う側にいないと負ける」

 

なお、私は生粋の三田紀房さんファンです。

 

mitanorifusa.com

 

ドラゴン桜のドラマを見て(マンガは未読)、勉強のモチベーションを上げました。
mitanorifusa.com

 

安くなったら大人買いしようとタイミングを見計らっておりましたが、ドラゴン桜2が連載され始め、今回ドラマ化が決まってしまい、また期を逃してしまいました。

mitanorifusa.com

 

就活を題材にした銀のアンカーもおすすめです。 

mitanorifusa.com

 

投資を題材にしたインベスターZは名作で私の投資知識の最初のインプットでした。

mitanorifusa.com

 

起業を題材にしたマネーの拳で、淡い淡い夢の一つである経営者になることの意味をイメージできました。 

mitanorifusa.com

 

戦艦大和を題材にしたアルキメデスの大戦は、歴史が苦手な私でも、あの時代の政治思考回路がわかった気になれます。

mitanorifusa.com

 

 

2.ビジネスエリートのキャリア戦略

 

f:id:hamawwo:20210417235152j:plain

 

私はコンサルティング業界といっても、転職活動を始める前までどんなことをやっているのか想像できませんでした。

 

本書の分類を読んだことで、なんとなく想像することができました。

 

一部抜粋して、所感とともにお伝えします。

 

コンサルティング

コンサルティングとは、民間企業や公共機関などのクライアントに対して、

専門知識に基づく情報収集・現状分析・解決策提案を行うことで

クライアントの問題解決を支援する業務

 →自己紹介の記事参照

 

hamawwo.hatenablog.com

 

 

戦略系…オールラウンドの経営参謀として大企業を支える 

 →バケモン

 

業務・IT系…企業変革の切り札となるITで経営課題を解決する

→総合支援

 

シンクタンク…専門的な立場で企業戦略から政策立案まで幅広く提案する

→知的なイメージ

 

財務系…企業の生命線となる財務の知見でクライアントを支援する

→会計士的な?

 

組織人事系…複雑化する人と組織の問題を解決する

→コロナ禍で苦労しそう

 

マーケティング・ブランド系…顧客や社員の認知を鮮やかに変える

→某Dとか?

 

一般的にイメージされる、いわゆるコンサルは「戦略系」ではないでしょうか。

 

私はそう思っていました。

 

私の転職先は業務・IT系です。

 

 

3.「いつでも転職できる」を武器にする

 

f:id:hamawwo:20210417235235j:plain

 

これが一番私に大きな影響を与え、転職しようと決断できた要因の一つとなりました。

 

ここで参考になった文章を抜粋し、所感とともにお伝えします。

 

相手に対し、他の人とは違う、自分独自の「ありがとう」を引き出す

 みんなが不得意な「ありがとう」を拾う。

 

→これを実践してみました。会社で業務中にも関わらず、転職目的とは伝えずにメールでアンケートを取りました。

 

その結果を職務経歴書に書いたので、抜粋して記載します。

 

他己分析

  •  自職場の先輩方(平均勤続年数29年、13名)に対し私の強み・弱みについてアンケートを取ったところ、上司に必要な要素(責任感、助言、慎重さ)が未熟で弱み(伸びしろ)である一方、チームワークを重視し、熱意と向学心が強みとみられています。
  •  同アンケートで「私に対しどんな仕事を頼みたいと思うか」という設問に対しては、熱意を持っていることから他部署との折衝業務、アウトプットを出すことから製造現場と直接的な改善業務、業務の停滞時すぐにメンバーを招集し進める動きを見て、関連部署が多く他部署の調整が必要な仕事、機敏な動きと高い理解力から、事なかれ主義を脱皮するような業務 等がありました。

 

ライバルがいないところで、資質を活かす

 

逆張りと類似していますね。

 

つまり、相場がどんどん下落する中で、あえて買いを入れる、もしくは相場がどんどん上昇する中で、あえて売り建てる取引をするということです。

 

資質は周囲の認知で決まる

 

なぜ私に仕事を頼むのか、何に対してありがとうか、を考えます。

 

 ネガティブな言葉の後に「いい意味で」をつける

 

脳内が前向きに変換してくれます。

 

 大人の自己紹介

過去…提供価値の根拠となる実績

現在…役割、つながり

未来…相手への提供価値

 

 この自己紹介の狙いは、以下の4つです。

 

  1. 「やれそう」という安心感を与える一貫性
  2. できると思わせること
  3. 肩書は3つまで
  4. 仕事の進め方を提示

 

転職先の基準

  • 同窓会の有無(転職者含む)
  • 辞めた社員の活躍で成長チャンスわかる
  • 離職率と幹部の割合を見る
  • 退職金制度の有無

 

  

4.転職の思考法

 

最後は、書籍の紹介をしているYouTuberサラタメさんの動画を参考にしました。

 

書籍は未読です。すみません…

 

 

youtu.be

 

詳細は動画を見ていただければわかりますが、特に私に刺さったものは以下です。

 

今後の時代はピボット型キャリア

(ピボット…方向転換。バスケと同じ、軸足を置きつつもう一方を動かしつつける、軸足も動かす)

 

自分が所属している業界が死んでしまう前に、今後伸びる業界に移動する

 

 

終わりに

 

いかがだったでしょうか。

 

転職を考えるきっかけとなり、少しでもお役に立てれば光栄です。

 

こういった書籍等はインプット手段であり、いくら読んでも終わりがありません。

 

注力すべきは、職務経歴書や面接でのアピール内容を考えること、

 

あるいは本職の仕事自体だと思います。

 

とはいえ、転職はモチベーション維持が大変ですので、

 

こういった書籍などを利用していただければと思います。

 

最後に、愛知の会社に就職し、結婚して神奈川から愛知に引っ越してきたにもかかわらず、

 

転職活動で神奈川へ戻ることを快諾してくれた妻に、大いに感謝します。

 

  

はまを